24日のロンドン市場は、ドル安が一段と進行している。米国がセーフガードを16年ぶりに発動しており、保護主義的な通商政策がドル売りの背景となっているが、きょうはムニューシン米財務長官の発言がドル売りを加速させた。ドル安は貿易にとって良い、と発言している。さらに、ロス米商務長官からは、さらなる関税措置が講じられるだろう、との発言もあった。欧州のダボス会議で、米国側からの先制攻撃となった格好。
ドル円は110円挟みでの上下動を下放れて、一時109.39レベルと昨年9月12日以来のドル安・円高水準となった。
欧州通貨や資源国通貨にも幅広くドル安の動きが広がっている。そのなかではユーロ相場は上値が重い。ユーロドルは1.23台前半から1.2356レベルに高値を伸ばしているが、ポンドなどと比較すると小幅の上昇に留まっている。ユーロ円は135円台半ばから一時135円割れと軟調。あすのECB理事会を控えて、調整の動きがでていたようだ。この日発表されたドイツとユーロ圏のPMI速報値は、製造業が予想を下回り、非製造業は予想を上回った。ただ、総じて高水準を維持しておりユーロ相場は反応薄だった。
ポンドはユーロとは対照的に買いの勢いが強かった。ポンドドルは1.40台前半から1.41台に乗せると高値を1.4160レベルまで伸ばした。ポンド円は154円台半ばでの上下動から一気に155円台に乗せる場面があった。対ドルや対円では2016年の英国民投票後の下げを戻した形となっている。ユーロポンドは0.87台後半から0.8710付近まで下落。9-11月の英雇用統計で雇用者数が増加に転じ、賃金も伸びが加速。ポンド買いの背景になった面もあったようだ。
豪ドルは堅調。欧州株は小安いものの、豪ドルにとっては鉄鉱石や銅など資源価格の反発が好感されているもよう。豪ドル/ドルは0.80台前半から0.8075近辺へ、豪ドル円は88.10-20レベルから88.43レベルまで買われた。対ユーロでの買いも観察されている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
Source: klug
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