23日のロンドン市場は、円安から円高へと方向転換した。ロンドン朝方の黒田日銀総裁会見がハト派的だったことや日経平均の大幅高、香港株の高値更新などリスク選好ムードが先行した。しかし、ロンドン時間には欧州株が序盤の上げ幅を削り、米株先物も堅調な動きから一時マイナスに転じるなどしており、円買いが優勢になっている。
黒田日銀総裁は決定会合後の会見で、出口を検討する段階にはいたっていないと述べ、オペ減額については実務的に決定される、予想物価上がったから金利調整必要とは全く考えず、などとした。市場での出口戦略への思惑を摘み取る発言となっていた。
ロンドン市場での円高には様々なリスク材料を指摘する声もあった。アラスカ南部沖でM8.2規模の強い地震が発生しており、米国では津波警報がでているもよう。気象庁は日本への津波の有無を調査中としている。また、米国の通商政策もリスク回避の火種となっているようだ。トランプ政権は洗濯機と太陽光パネルにセーフガードを発動している。16年ぶりの発動。LG電子など対象企業を抱える韓国はWTOへの提訴を表明した。
ドル円は黒田総裁会見中に111.18レベルまで買われ、本日の高値を伸ばした。その後、ロンドン勢が本格的に参入すると111円台を割り込み、110円台前半へと下押し。米株先物がマイナスに転じるなどリスク回避の動きとなり、一時110.38近辺に安値を広げた。
ユーロドルは、振幅を伴いながら上値が重くなっている。朝方の1.2270近辺から一時1.2223近辺まで下落。その後はレンジ内での上下動。ユーロ円はドル円に追随した値動き。136.22近辺まで高値を伸ばしたあとは135.20近辺まで下押しされている。1月の独ZEW景況感指数は20.4と事前予想17.7および前回値17.4を上回った。昨年5月以来の高水準だった。ただ、ユーロ買いの反応は一時的に留まっていた。
ポンドドルは東京市場で1.4003レベルと節目水準に到達したが、その後は売りに押されている。ロンドン中盤にかけては1.3916近辺に安値を広げた。ポンド円は朝方に155.41近辺の高値をつけたあとは売りが継続。足元では154円台を割り込んでおり、安値を153.82近辺に広げている。1月英CBI製造業受注指数は14と予想12を上回ったが、ポンド買いには反応せず。
豪ドルは東京市場からの売りが継続。鉄鉱石や銅などの国際商品価格の下落が響いた。豪ドル/ドルは0.80台が重く、ロンドン序盤に0.7957レベルまで下押しされた。その後は0.7960-70レベルでの揉み合い。豪ドル円は88円台半ばを割り込むと取引中盤には一時88円台を割り込んだ。安値は87.91レベル。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
Source: klug
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