きょうのNY為替市場、終盤にかけてドル買いが強まっており、ドル円は上値を拒んでいた111円台を回復している。ショートカバーが強まりストップを巻き込んで111.30円付近まで上昇。
朝方はドル買い優勢で始まったものの次第に戻り売りが優勢となっていた。ドル円も買戻しが出ていたが、前日同様に111円台には慎重な気配も見られていた。110.80円を超えてくると戻り待ちの売りオーダーも断続的に出ていたようだ。
今週末に米暫定予算の期限を控えており、幼少時に親に連れられて米国へ不法入国した若者の強制送還を免除する措置DACAの撤廃を絡めて米議会が再び混乱しており、ドル円も上値を追いづらい雰囲気もあったようだ。ホワイトハウスは再び暫定予算の策定を支持する姿勢を表明している。
しかし、終盤になって米株の買いが加速しており、米国債利回りも上げ幅を伸ばしたことからドル円はショートカバーが強まっている。今年に入ってからの急ピッチな下げで、200日線からの下方かい離も広がっており下げ過ぎ感も出ていた。
目先は直近の下げのフィボナッチ38.2%戻しが111.35円付近に来ている。そこを上抜ければ、本日111.75円付近に来ている200日線までの戻りも一旦期待できそうだ。
一方、ユーロドルは朝方は売りが強まり1.22ドルを割り込む動きも見られていたが、1.22ドル台後半まで急速に買い戻されていた。しかし、終盤になって再び1.22ドル割り込む動きとなっている。
急ピッチな上昇から利益確定売りもやむなしの状況ではあるが、上値期待も根強く下値での押し目買い意欲は依然として旺盛なようだ。
前日はビルドワドガロー仏中銀総裁がユーロ高の影響を監視する姿勢を示していたが、きょうはコンスタンシオECB副総裁やノボトニー・オーストリア中銀総裁からも同様の発言が出ていたこともユーロの調整を誘っていた模様。
今後のユーロについては来週のECB理事会を待ちたいところでもあるが、もし、ECBがハト派な雰囲気を演出したとしても、前年の例から市場がどの程度素直に受け止めるかは未知数。
きょうはカナダ中銀の利上げが発表された。しかし、既に織り込まれておりサプライズはない。注目は声明だったが、インフレ目標維持のために緩和策が必要との認識を示したほか、見通しにおいてNAFTAの不透明感が増しているとも言及。慎重姿勢を滲ませた内容だったことから、発表後のカナダドルは売りの反応が強まった。ただ、成長見通しは上方修正していたこともあり、売り一巡後は戻している。
ポンドは終盤に伸び悩んだものの、ポンドドルは一時1.39ドル台、ポンド円は154円台に上昇しており、2016年の英国民投票以来の高値水準に上昇している。
まだ、全体的に潮目が変わったとまでは見てはおらず、年初からの急ピッチな動きの調整が入ったものと見られる。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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