きょうのNY為替市場は動意薄の展開が続いた。朝方発表になった第3四半期の米GDP確定値が下方修正されたことでドル売りが出る場面も見られたものの、一時的な動きに留まっている。米税制改革法案も議会を通過し、トランプ大統領の署名待ちの状況になっており成立はほぼ確実視されている。
なお大統領は、ペイゴー原則の問題解決なら明日22日に税制法案署名の意向とも伝わっている。ペイゴー原則とは新たな歳出に財源確保を義務付ける原則。
クリスマス休暇を目の前に手掛かり材料もなくなり、次の材料待ちの雰囲気も強い。きょうは短期筋中心の軽い値動きに終始していたようだ。
ドル円は終盤に売りが優勢となったものの113円台での推移が続いた。米10年債利回りは下げていたが、米株の上昇がサポートした。きょうは日銀決定会合が開かれ、大方の予想通りに政策は据え置かれた。注目は黒田総裁の会見だったが、「リバールレートは興味深いが現状問題ない。物価目標の2%まで距離があり、粘り強く緩和継続」と述べていた。一部では出口戦略への思惑も高まっていたが、完全に火消しに回った格好となった。
ユーロドルは上下動。値動きはあるものの方向感はない印象。ロンドン時間の朝方に一時1.1890ドル付近まで上昇し、1.19ドルを再びうかがう動きも見せたものの、戻り売りに押された。一方で1.1850ドル水準は強いサポートとなっており、1.18ドル台後半まで戻す展開。
きょうはスペイン・カタルーニャ州の議会選挙が行われている。最新の世論調査では独立賛成派と反対派は拮抗している。もし、独立賛成派が勝利したとしても、再び独立問題に発展することは無いとの見方が多い。市場も気にはしていたものの、注視はしていなかったようだ。
ポンドドルは下に往って来いの展開。ロンドン時間から売りが優勢となり、NY時間の序盤には一時1.3330ドル近辺まで下落。しかし、その後は買い戻しが優勢となり、1.33ドル台後半に戻している。
きょうはカナダドルの上げが目立ち、カナダ円は一時89円台に上昇。この日のカナダの消費者物価指数(CPI)や小売売上高が強い内容となったことで市場は利上げ期待を再び高めている。カナダ中銀のポロズ総裁は「利上げには注意深く対応する」との慎重姿勢を堅持しているものの、可能性を閉ざしているわけではない。
明日は10月の月次GDPの発表が予定されているが、もし、強い内容が示されれば、1月の利上げの可能性もあるとの指摘も聞かれた。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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