【ロンドン市場】ポンド相場振幅、インフレ指標と当局者発言で

 17日のロンドン市場は、ポンド相場が神経質に上下動している。この日は一連の英インフレ指標発表に加えて英金融当局者らの議会証言が行われた。11月2日の英金融政策委員会に向けた重要なイベントが重なった形。

 序盤はポンド買いが先行。9月の英消費者物価指数が前年比+3.0%に加速するとの事前予想を背景に、前もってポンド買いが進んだ。ポンドドルは1.32台半ばから一時1.3287レベルまで上昇。ポンド円は149円台に乗せる場面があった。指標結果は予想通りの+3.0%となり約5年半ぶりの高い伸びとなった。ただ、生産者物価や小売物価では予想ほどの伸びを示さない項目もあり、市場は売りに反応した。

 次の焦点であるカーニー英中銀総裁、ラムスデン英中銀副総裁、テンレイロ政策委員の議会証言を控えて売りは一服。今回の証言は新任のラムスデン英中銀副総裁、テンレイロ政策委員の見解を確認することが主眼だったようだ。両氏は利上げの可能性に言及しつつも、賃金の伸びの弱さやブレグジットへの警戒感を示している。ポンドは次第に売り優勢となる。そして、カーニー英中銀総裁が、ハードブレグジットの非常事態への備えを検討、としたことでポンドは売りに転じる。ポンドドルは一時1.32割れまで下落。ポンド円は148円手前まで下落。結局は売り優勢でNY市場を迎えている。

 ユーロも軟調。序盤は対ポンドでもユーロ売りが先行した。スペイン内務省は、カタルーニャ州自治権停止に向けた最初の措置として、カタルーニャの警察・軍・治安責任者などの解任を準備している、とスペインのパイス紙が報じた。また、この日発表された9月ユーロ圏消費者物価指数・確報値は前年比+1.5%と速報値と変わらず、ECB目標からはまだ遠い。10月ドイツZEW景況感指数は17.6と前回17.0から上昇したが、事前予想20.0ほど強くは無かった。ただ、序盤に売られた後は揉み合い商状が続いている。ユーロドルは1.1760近辺、ユーロ円は132円割れ水準での推移。

 ドル円は欧州通貨と比較すると小動き。112.10-112.25レベルでの揉み合いが続いている。指針となる米10年債利回りが2.31%を挟んだ小幅の振幅に留まっており、動きにくくなっていた。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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