きょうのNY為替市場はドル売りが続いた。午後になってFOMC議事録が公表され、「大半のメンバーは年内の利上げが正当化されると判断」との一方で、「大半のメンバーは低インフレは一時的な要因のみではない」と懸念している。ほぼ予想の範囲内のようにも思われるが、期待ほどタカ派色が強くなかったとの見方もあり、ややドル売りが見られていた程度。
ただ、ドルは米国債利回りの下げと伴に上値の重い展開が続いている。米経済は堅調さを示しており、12月FOMCでの利上げ期待は高い。しかし、北朝鮮問題に加え、ここにきてトランプ大統領が税制改革を成立させることができるのか懐疑的な見方が台頭しており、ドルの圧迫要因に繋がっている。
ドル円も前日に引続き下値模索となり、序盤に112円割れを試す場面も見られていた。しかし、前日同様に112円ちょうど付近では押し目買い意欲も強く112円台は維持されている。本日112.15付近に来ている21日線はサポートされていた状況。112円ちょうど付近にはオプション絡みの買いや、111.85付近に来ている200日線を意識した買いも出ている模様。112円台が堅持されたことで一旦、短期筋がショートカバーを入れていたようだ。
一方、ユーロは買い戻しが続いている。カタルーニャ自治州のプッチダモン首相は独立宣言の書面には署名したものの凍結を表明し、スペイン政府との協議を提案している。国際的にも支持が少ない中、落とし所を探っているとの見方も出ているようだ。一方でこのような動きにスペイン政府は強気な姿勢を見せており、ラホイ首相は「独立宣言をしたかどうかを確認する」とし、独立宣言なら憲法155条に基づきカタルーニャ州の自治権停止を検討すると警告している。
不透明感は依然として払拭できないものの、スペイン株は大幅に上昇するなど市場はいまのところ楽観的だ。最終的にはプッチダモン首相が妥協すると見ているようだ。
ユーロドルは1.1835付近に来ている21日線を回復し、1.1870近辺まで上昇。1.1850水準を完全回復できれば、10月26日のECB理事会に向けて、1.20を再び目指すとの指摘も出ており、明日以降の動きが注目される。
ポンドも上昇が続き、ポンド円は3日続伸。ただ、一部からは市場は少しポンドに楽観的過ぎるとの意見も出ている。EU離脱交渉が一向に進展を見せない中、メイ首相の進退問題も取り沙汰されている。もし、メイ首相が辞任という事態になった場合に、ポンドの下げ圧力は市場が考えているよりも強いと見ているようだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
コメントを残す