きょうのNY為替市場、終盤になって一服したものの、ドル売りが優勢となった。この日は主な米経済指標の発表もなく手掛かり材料に乏しい中、米国債利回りの下げがドルを圧迫した。北朝鮮のミサイル発射実験への警戒感が根強く更に、トランプ大統領の税制改革への不安感も出ているようだ。
トランプ大統領と米共和党重鎮のコーカー上院議員との舌戦が繰り広げられている。共和党は上院で過半数を獲得し与党ではあるもののその差は小さく、オバマケアの代替法案のときもそうだったが、2人以上造反すると、法案が通らない。コーカー議員は次の選挙には出馬せず引退を表明しているが、任期は2019年1月まで続く。
ドル円は下値模索の展開となり、一時112円を割り込む場面も見られた。ただ、200日線と21日線が混在する111.90/00水準がサポートなり、後半にかけて下げを取り戻している。ユーロ円の上昇がサポートした模様。
NY時間の午後になって、カタルーニャ自治州の議会でプッチダモン首相の演説が行われた。国民投票の結果を数週間停止し、スペイン中央政府と協議したい意向を示している。この協議にはEUの参加も望んでいるようだ。ただ、スペイン政府はその提案を受け入れる意向はなく、憲法155条に基づいた同州の自治権剥奪も視野に入れて検討しているとの報道も出ていた。ユーロ円は132円台後半まで上昇。
きょうのところはとりあえず、独立宣言が見送られたことで、ユーロは上昇の反応を見せている。ただ、まだまだ火種は残っている。
一方、ポンド円も終盤に買い戻しが強まり、148円台半ばまで上昇。ただ、前日に10日線と21日線のデットクロスを示現しているが、きょうは値ごろ感からの買戻しといった範囲。この日発表の英経済指標が予想を上回る内容となっていたことも買戻しを誘発していたようだ。ただ、メイ政権への不安感は依然として根強い。
なお、IMFが世界経済の見通しを発表していたが、米国の17年の見通しは2.2%に上方修正されていた。特に為替市場の反応は限定的だった。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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