【ロンドン市場】欧州株高も為替はドル高・円高、双方相容れない

 22日のロンドン市場は、欧州株は反発しているが、為替市場ではドル高・円高の動き。双方でまちまちの動きを示している。市場の不安材料が北朝鮮リスクや欧州のテロ、そしてトランプ政権に混乱など地政学リスク、政治リスクとなっているだけに各市場の値動きには相容れないものがあるようだ。

 ドル円は序盤に109.46レベルまで高値を伸ばした。その後は109.20近辺まで下押しされたが、109円台前半での揉み合いに落ち着いている。

 その他主要通貨では、ドル買いと円買いが優勢になっている。ユーロドルは1.18台を割り込むと1.1745近辺まで下押し。ユーロ円は129円台が重く、128.33レベルまで下押しされた。ポンドドルは東京午前に1.29台をつけた後は売り一色。ロンドン市場では1.2822近辺まで安値を伸ばしている。ポンド円も141円をつけたあとは140.09近辺まで一貫して売られている。豪ドル/ドルは0.7940近辺でのもみ合いを下抜けると0.7899レベルまで下落。豪ドル円は87円手前まで買われたあとは86.34近辺まで反落。

 この日発表された英国とドイツの経済統計は対照的な結果だった。8月のドイツZEW景況感指数は10.0と事前予想15.0を下回った。これは今年の最低水準で、昨年10月以来の低水準だった。3ケ月連続の水準低下。市場ではユーロ高がドイツ経済のセンチメントに影響しているとの見方。

 一方、英国関連の経済統計はいずれも良好な結果だった。7月の英公共部門純借入額はマイナス8億ポンドだった。予想はプラス3億ポンド、前回はプラス63億から57億ポンドへと改定された。借入額のマイナスは財政黒字となっていることを示している。8月の英CBI製造業受注指数は13と事前予想10や前回7月の10を上回った。30年来の高水準となった6月の16に次ぐ水準となった。ポンド安が輸出の伸びを支える状況が続いている。

 ユーロポンド相場は、ロンドン序盤に0.9170近辺に上昇。この時間帯の値幅は15ポイント程度の限定的だったが、水準的には昨年10月以来のユーロ高・ポンド安となった。きょう発表された英独経済統計の背景と符合する値動きとなった。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明

Source: klug

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