きょうのNY為替市場は午後に発表になったFOMCの結果を受けてドル買いが優勢となっている。現時時間の午後に公表されたFOMCは大方の予想通り据え置きとなった。ただ、声明で「第1四半期の成長減速は一過性の可能性高い」と指摘したことがドル買いを誘発した模様。インフレに関しても前回と同様の見方を温存している。
きょうのFOMC声明を受けて、CMEがFF金利先物の取引から算出しているFEDウォッチでは、6月FOMCの利上げ確率を再び70%超に上昇させている。先週末の米GDPなど弱い経済指標を受け70%を下回っていた。
次回6月13日、14日のFOMCまでに第2四半期のGDPの発表はもちろん無く、弱い経済指標が相次がない限り、成長見通しに関しては上記のスタンスで臨むのであろう。週末の米雇用統計が前月のような弱い内容でない限り、6月利上げは既定路線となりそうな気配も高まっている。
なお、きょうは4月のISM非製造業景気指数が発表になっており、新規受注の大幅改善が見られ予想を上回っていた。このところ弱い指標が相次いでいただけに心強い内容ではある。ただ、週末に米雇用統計が控えている中、雇用指数は51.4と前回(51.6)同様に50付近の低水準での推移が続いている。
ただ、この低下は景気減速に伴うものではなく、完全雇用に近づいているために低下しているものと考えられる。リーマンショック前年の2007年前半の同雇用指数も現在のように50付近で推移していたが、その時の失業率は4.5~4.6%程度で推移しており、現在のように完全雇用の状態であった。
ドル円はFOMC後に買いが加速し、112.70近辺まで上昇している。3月10日高値~4月17日安値のフィボナッチ61.8%戻しが112.70付近にあり、その水準と顔合わせした。次の上値ターゲットは100日線が113円台前半に来ており意識される。
一方、ユーロドルは1.08台、ポンドドルは1.28台に値を落としている。メイ英首相の「欧州の一部は英国のEU離脱交渉の成功を望んでいない」との発言が伝わり、ポンドは急速に売られる場面も見られた。ユンケル欧州委員長のチームが選挙妨害のために、EU離脱交渉の詳細について意図的に情報を漏らしたと非難したものだが、選挙に向けて自身への支持も訴えている。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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