【ロンドン市場】欧州通貨主導で円相場がジリ安に

 2日のロンドン市場は、欧州通貨主導で円相場がジリ安となっている。ドル円は東京時間に112円ちょうどが上値の壁となっていた。しかし、日本時間午後3時前後に112円ちょうどを上抜けるとジリジリと高値を伸ばし、ロンドン序盤には112.31レベルと3月21日以来のドル高・円安水準をつけた。その後は買い一服も、112円台前半での取引が続いている。

 円相場を主導したのがユーロ円とポンド円。まず、ユーロが買われ、続いてポンド買いが強まった。ユーロ相場にとってはギリシャが国際債権団と年金改革などで合意したと報じられたことが好感された。また、この日発表された一連の4月欧州製造業PMIが好調だったことも下支え。ユーロ円は122.20レベルを超えると買いが強まり、一時122.60近辺まで高値を伸ばした。ユーロドルはロンドン朝方に1.0925近辺まで買われたあとは1.09台前半での揉み合い。ノボトニー・オーストリア中銀総裁は現地紙で、6月のECB理事会で今後の戦略を議論する必要がある、と述べた。出口戦略を想起させる内容だったが、ユーロ相場は反応薄だった。

 ポンドにとってもこの日発表された4月英製造業PMIの上振れが買い材料となった。また、NY原油先物が時間外取引で反発したことも買いを誘ったもよう。ポンド円は144円台前半での揉み合いを上放れて一時145.12近辺まで高値を伸ばした。ポンドドルは朝方に1.2865近辺まで下押しされたが、買いに切り返すと1.29台乗せから1.2929近辺まで高値を伸ばした。6月の総選挙についてメイ英首相率いる保守党の支持率が高いことも下支えとなっているようだ。

 一方、豪ドルは上値が重い。豪ドル円は84円台半ばからは売りが優勢となり、84.20台へと反落。豪ドル/ドルは0.7550近辺から0.7510台へと反落。この日の豪中銀理事会では予想通り政策金利が据え置かれた。声明分で、豪ドル上昇が経済の調整を複雑にする可能性、とこれまで通りの指摘がみられた。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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