【NY市場】メイ英首相の総選挙表明で欧州通貨買い・ドル売り優勢

 きょうのNY為替市場は欧州通貨買い・ドル売りが優勢となった。欧州通貨についてはメイ英首相の発表を受けたポンド買いにより、ユーロも連れ高した格好。メイ英首相は6月8日に総選挙を実施したい意向を示している。市場ではメイ首相が選挙で勝利するようであれば、ポンド買い戻しの流れは加速するとの見方も少なくない。

 英政府は既にEUに対して離脱を通知しており、今後、離脱交渉に入って行くが、市場では既にEU離脱が無くなると見ている向きは少なく、それよりも、選挙でメイ首相が勝利し、首相の立場が強化されたほうがポンドにとっては追い風と見ているようだ。直近の世論調査ではメイ首相が優勢。

 きょうのポンドはショートカバーが強まり、短時間の間にストップを巻き込んで一気に上昇する場面も見られた。ポンドドルは1.29台、ポンド円は140円台まで一時急伸した。

 一方、欧州通貨の上昇で相対的にドル売りが出る中、ドル円は上値の重い展開が続き、前日の上げを失っている。北朝鮮問題への懸念が根強い中、米国債への逃避買いから、利回り低下が続いておりドル円を圧迫している。前日のムニューシン米財務長官の発言でドル円は109円台まで戻していたが、再び108円台前半に下落している。ゴールドマンの決算が冴えなかったことで、米株が下落していたことも圧迫した。

 ユーロドルは1.07台を回復。日曜日の仏大統領選の1回目の投票を前にユーロのショートカバーが活発に出ているとの指摘も聞かれる。仏IFOPの日次世論調査では、ルペン氏の支持は1回目の投票で22.5%と変わらずだが、2回目の投票では39.5%とマクロン氏との差が拡大している。ただ、他のフィリョン氏や極左のメランション氏との差も小さく、予断は許さない状況は続いている。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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