【NY市場】ダドリー発言でドル円が111円台回復 弱い米雇用統計、シリア空爆の反応限定的

 きょうのNY為替市場は後半になってドル買いが強まった。朝方発表になった米雇用統計は予想を大きく下回る内容となった。非農業部門雇用者数(NFP)が8.9万人増と予想(17万人増)を大きく下回った。しかし、失業率は4.5%とほぼ完全雇用の状態にあり、平均時給も前年比プラス2.7%とインフレ期待を後退させる内容ではない。

 また、シリアの空爆に関しては、米ロの関係悪化が懸念されるものの、いまのところは世界経済への悪影響は軽微との見方になっているようだ。

 ドル円は米雇用統計発表直後に一時110.15付近まで下落したが、直ぐに買い戻されている。そのような中、午後になってドル買いの動きが強まっており、ドル円は111円台を回復している。

 ダドリーNY連銀総裁のバランスシートに関する発言に反応しているようだ。総裁は「FOMCはまだバランスシート計画を策定中ではあるが、バランスシート縮小は今年終盤か来年始めに開始するであろう」と述べたことに敏感に反応している。また、「バランスシート縮小にともなって利上げを休止した場合でも、その期間は極めて短いものになる」と示唆したこともドル買いをフォローした。

 シリアへの米軍による空爆や弱い米雇用統計といったネガティブな材料にもかかわらず、ドル円は110円台を維持。先週から何度か110円割れを試す場面が見られたが、いずれもサポートされている。逆風にもかかわらず110円台が死守されたことでショート勢も一旦ショートカバーを入れざるを得なくなっている様子もうかがえる。

 きょうのローソク足は長い下ヒゲをつけて陽線を描いている。米雇用統計の日のローソク足ということもあり、来週以降、一旦リバウンド相場に入るか注目される。もし、リバウンドの展開ならば、目先は直近上値を拒まれた112円台を回復できるか注目となる。その付近には21日線やフィボナッチ38.2%戻しの水準が控えている。

 一方、ユーロドルは強いサポートとなっていた1.06を割り込んでいる。今週のユーロドルは先週からの下げが一服していたものの、リバウンドの動きはなく、1.06台の安値圏での上下動が続いていた。次のアクション待ちといった状況だったが、もし、早期に1.06台に戻せないようであれば、心理的節目で強いサポートとなってきた1.05の水準が再び視野に入りそうな気配も出ている。テクニカル的には下向きの兆候が出始めており、21日線と10日線のデットクロスが示現。

 仏大統領選の1回目の投票が接近しているが、仏IFOPの日時世論調査は以下の通りとなっている。1回目はルペン氏の勝利だが、2回目の最終投票ではマクロン氏が依然として優勢。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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