きょうのNY為替市場でドル円は上値の重い展開となった。前日は米株の失速でドル円も戻り売りに押されたこともあり、きょうは米株にらみの展開が見られている。原油高から米株も米国債利回りも前半は堅調な動きだったことから、ドル円も111円台に上昇する場面も見られたが、滞空時間は短く直ぐに110円台に戻している。
トランプ政権がシリアのアサド大統領排除に動いていることが伝わった。米株も前日同様に後半にかけ伸び悩む動きが見られ、地政学的リスクがドル円の上値を重くした模様。
更にきょうから米中首脳会談が行われるが、貿易問題や北朝鮮問題が協議される。表面上は具体的な合意は出ないものと見られているが、むしろ、両者の関係が険悪にならないが警戒している状況。地政学的リスクへの懸念が徐々に高まっており、株価と伴にドル円も上値に慎重になっているのかもしれない。
一方、ユーロドルは上値の重い展開だったものの、全体的にはレンジ内での取引が続いている状況に変化はない。先週からの下げも一服はしているものの、リバウンドの流れに復帰する気配は一向に見られず、1.06台での上下動が続いている。
市場にはECBが年内に出口戦略に舵を切るとの期待感は根強いものの、ECBは火消しに回っている。きょうはドラギECB総裁の「政策変更にはより一層のインフレ期待が必要となる」との発言がユーロを下押ししていた。
テクニカル的には下向きの兆候が出始めており、21日線と10日線のデットクロスが示現しそうな情勢となっている。100日線が控える1.06台前半の水準は維持しているものの、その水準をブレイクするようであれば、心理的節目で強いサポートとなっていた1.05の水準が再び視野に入りそうな気配も出ている。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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