23日のロンドン市場は、円買いが先行した。ドル円は111円台前半からジリ安となり、一時110.92レベルまでの下押し。ただ、前日NY安値110.73レベルには届かず、111円ちょうど付近での揉み合いとなっている。
クロス円は総じて売りが先行した。リスク動向に敏感な豪ドル円は85円台前半から85円を割り込むと、84.60近辺まで下押しされた。ユーロ円は120.20近辺での揉み合いから下放れて一時119.45近辺まで下落。ポンド円も139円台が重くなり138.40近辺まで下落する場面があった。
しかし、この日の欧州株は小高く推移。NY原油先物は48ドル台前半に高止まり。全般的なリスク動向は落ち着きを取り戻してきている。取引中盤にかけては、クロス円の下げは一服している。特にユーロ円は119.80-90レベルへと反発。ロンドン序盤の下落の半分程度を戻した。ポンド円は一時139円を回復する場面があった。豪ドル円はやや戻りが鈍く84.80台まで。ドル円は111円ちょうど挟みの水準となっている。
この日発表された英小売指標は予想外の好調さを示した。2月の英小売売上高は前月比+1.4%(予想+0.4%)、前年比+3.7%(予想+2.6%)といずれも予想を大幅に上回った。前月比はガソリンを除いたデータでも+1.3%(前回-0.3%)と高い伸びだった。食料品の伸びは0.1%と低かったが、食料品以外の項目は+1.8%と高い伸びを示した。衣料品などは+1.0%、家庭用品は+3.7%、その他は+2.2%といずれも前月比上昇した。英CBIが発表した3月の小売調査指数は9と事前予想4を上回り、前回2月と同水準に踏みとどまった。消費動向は想定よりも好調。まだ、ポンド安が消費の与える影響は表面化していないようだ。
きょうはこのあとのNY時間にオバマケア代替法案の採決が行われる見込み。トランプ政権の議会運営が試されるイベントとなっている。現時点では共和党の一部に造反の動きがあるとされており、採決は混沌としている。採決自体が延期される可能性もあり、注意が必要だ。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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