【NY市場】ドラギ会見を受けドル円も上昇 一時115円をつける

 きょうのNY為替市場、ドル円は堅調な動きを維持したほか、ユーロドルも買い戻されている。きょうはECB理事会後のドラギ総裁の会見を受けてユーロ高・ドル安の動きが強まったものの、ドル円は買いが優勢となった。

 ドラギ総裁の会見は、インフレ基調は依然として低いとし、現状の緩和継続を強調する内容ではあったものの、成長へのリスクバランスは改善したと景気の先行きへのポジティブな見方を示した。また、今月末で実施期限を向かえる、目的を絞った長期資金供給(TLTRO)に関して、「何も議論はなかった」と述べていたことも、市場はタカ派な会見と受け止めたようだ。

 この会見で欧州債利回りが上昇し、米国債利回りも連れて上昇したことから、ドル円も買いの反応となっている。

 ドル円は115円台に上昇。さすがに心理的節目の115円付近の売り圧力は強く上値を拒まれていたが、終盤になって一時115.00を付けている。

 一方、ユーロドルは1.06台に一時上昇。その後、戻り売りが見られたものの、こちらも堅調な動きを維持し、21日線に顔合わせしている。

 前日のADP雇用統計をきっかけにドル円は上昇ムードが高まっている。明日の米雇用統計も強い内容になるのではとの期待が高まったためであろう。現時点での予想は、非農業部門雇用者数(NFP)が19万人増、失業率が4.7%、そして注目の平均時給は前月比で+0.3%が見込まれている。

 今年は米国も暖冬で労働市場にもその影響が出る可能性もある。カルフォルニア州は大雨の悪天候だったものの、その他の地域は歴史的な暖冬となった。カルフォルニア州の大雨が建設業の雇用に悪影響を及ぼした可能性もあるが、北東部の暖冬がそれを相殺しているとの指摘も出ている。

 市場は来週のFOMCでの利上げをほぼ確実視しており、米雇用統計がそれに、どれだけのインパクトを与えるかは未知数ではあるが、賃金を含めて好結果であれば、一旦ドル買いの反応も期待できそうだ。ただ、だいぶ織り込んでいる状況は否めない。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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