きょうのNY為替市場はドル高が一服していたものの、週後半からの買い戻しの流れは維持されている。日本の投資家にとっては、きょうのメインイベントは日米首脳会談であっただろう。為替問題に関しては、日米の財務相間で緊密な議論をするとしており、麻生副総理兼財務相とフリン副大統領が専門家を交えて今後も協議を継続するとしている。
予想通りの無難な通過ではあったが、首脳の共同会見中にドルは瞬間的に売りが強まる場面が見られた。トランプ大統領が記者から、中国の為替操作に関して聞かれ、「為替については以前から問題視してきた。為替政策は公表な土俵を作れる」と語ったことに敏感に反応した模様。中国に関しての話ではあるが、トランプ大統領はやはり、為替をかなり問題視している様子はうかがえた。
きょうのドル円は113円台後半まで上昇していたが、NY時間に入ると戻り売りも出て、買戻しの流れも一服していた。共同会見中には瞬間的に112円台に下落する場面が見られたが、米株の最高値更新が続いていることや、米国債利回りもプラス圏を維持していたことから、113円台はしっかりと維持されている。週後半からの上げで、ちょうど21日線の付近まで戻しており、来週以降の動きが注目される。
ユーロドルはNY時間の朝方に1.06ちょうど付近まで下落。前日のトランプ大統領の大幅減税を期待させる発言でドルが急速に買い戻されており、ユーロドルも売りが加速した。
その後は下げ渋る動きも見せ、1.06台は維持しているが、今週の下げで21日線も下回ってきている状況で、下向きのトレンドに再び戻るか警戒されるところではある。1.0640近辺にフィボナッチ38.2%戻しの水準があり、完全にブレイクするようであれば、上記フィボナッチ50%戻しの1.0585水準が意識される。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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