きょうのNY為替市場は、この日のFOMCを通過してドル売りが強まっている。政策自体は大方の予想通り据え置きだったが、声明での現状認識のインフレの表現が若干変更されたことに敏感に反応したようだ。
6月のFOMCでのインフレの現状認識のは「直近、インフレは鈍化し、コア指数は2%を幾分下回る水準で推移」との表現だったが、今回はこれを「総合指数、コアともインフレは鈍化し、2%を下回る水準で推移」に変更している。
概ね変化はないようにも思われるが、「幾分」が削除されている分、表現をハト派な方向に修正した印象が強まった。市場では変更無しとも見られていただけに、サプライズであったのかもしれない。
一方、バランスシート縮小については前回に引続き、比較的近い時期に開始と言及しており、9月の可能性は高い。
ドル円は朝方は買いが優勢で112円台を回復。200日線付近まで回復していた。しかし、FOMCを受けて一気に戻り売りが強まり、一時111.05付近まで下落した。その後、111円台は維持されたものの、きょうの下げで再び200日線と100日線を下回っている。
一方、ユーロドルはストップを巻き込んで前日に引続き1.17台に上昇。2015年8月以来の高値水準に再び上昇。
ECBの出口戦略だが、ここにきて市場も若干ハト派になっている雰囲気もうかがえる。例えば、資産購入拡大ペースの縮小の具体策の表明は、当初9月と見られていたものの、それを10月との見方や、年末との慎重な見方も出ているようだ。また、資産購入拡大ペースの縮小と同時に年内一杯としている期限を具体的な終了期限を示さず延長するのではとの見方も聞かれる。
前回のECB理事会が、ECBは慎重になっている印象が強かっただけに、それにあわせて市場も見方を修正してきているようだ。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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