【ロンドン市場】ECB理事会控えてややドル買い優勢、ポンドが軟調

 20日のロンドン市場は、ECB理事会の結果発表を控えてややドル買いが優勢。そのなかでは特にポンドドルの値動きが目立っている。東京市場での1.3025近辺での揉み合いを下放れると1.30台を割り込んだ。フォックス英貿易担当相が、EU離脱交渉がなくても我々はサバイブできる、と発言したことに反応したもよう。その後発表された6月の英小売売上高は前月比+0.6%(予想+0.4%)、前年比+2.9%(予想+2.5%)といずれも予想から上振れ。ポンドはいったん買いに反応したが、ポンドドルの1.30台乗せは短時間に留まり、再び1.29台へと軟化。ロンドン中盤にかけては1.29台前半へと一段安になっている。ポンド円も上下動激しく、146円台乗せから145円台前半へと下押しされている。英小売指標の好調よりもEU離脱をめぐる政治リスクがクローズアップされたようだ。

 ユーロ相場は比較的底堅い。ユーロドルはポンドドルの下げに追随して小安い。1.1525近辺から一時1.15台割れも再び1.15台に乗せている。ユーロ円は129円ちょうど近辺から129.35近辺まで高値を伸ばしている。ユーロポンドは0.8850付近の揉み合いから0.89手前へと上昇。ECB理事会では現行の金融政策が維持される見込みとなっているが、ドラギECB総裁会見で出口戦略に関する何らかの手掛かりが得られるかどうかの思惑があるようだ。

 ドル円は東京市場から一段高。112円台乗せ水準から一時112.42レベルまで高値を伸ばした。ただ、米10年債利回りは前日終値付近での小動き。東京時間に日銀が金融政策を据え置くとともに、物価目標の達成時期を2019年度ごろとこれまでから1年先送りしたことが円売り圧力となっていた。ロンドン市場でもその延長線上の値動きとなっている。黒田日銀総裁は会見で、今後も強力な金融緩和を粘り強く推進していく、さらなる緩和ありえるしさまざまな調整も十分考えられる、と緩和策の維持が示されていた。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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