30日のロンドン市場では、欧州通貨売りが広がっている。序盤は総じてドル買いが優勢。米10年債利回りが前週末比プラスに転じる動きに反応した。ドル円は一時114.93レベルと115円台に接近したが、大台には乗せ切れず。その後は114円台後半での取引が続いている。
ユーロドルやポンドドルも上値が重いスタート。欧州株が下落して週の取引を開始しており、ややリスク回避ムードが広がった。ポンドドルは1.2550割れから1.25台前半へと下落、ユーロドルも1.07台前半から1.07割れ水準へと軟化。序盤はポンド売りが先行したが、中盤にはユーロ売りが加速。前週末にサポートされていた1.0658レベルを割り込むと、ユーロドルは一時1.0629近辺まで急落。ポンドドルも一時1.25割れとなった。
クロス円も下落。ユーロ円は122円台後半から一時122円割れ、ポンド円は144円割れから143.30近辺まで下押しされた。
週末にトランプ米大統領が難民や移民を制限する大統領令を発したことが、米都市や空港での反対デモを引き起こしている。また、米IT産業の人材確保にも打撃との見方が広がっている。不安定な状況で、今週は日米英の中銀の金融政策会合が開催される。また、米雇用統計の発表を金曜日に控えており、ポジション調整圧力がみられている。
ユーロにとってはノボトニー・オーストリア中銀総裁の発言も売り圧力に。3月のQEからのテーパリングは時期尚早、ドル高は欧州経済にとって好都合、などと述べている。また、イタリアにとってEU離脱は経済的自殺行為、と釘を刺していた。
ポンドにとっては、英中銀金融政策委員会が焦点となる。今回は、インフレ報告、カーニー英中銀総裁会見を含めたスーパーサースデーとなることから、市場の注目度は高い。EU離脱手続きが早まるとの見方もあるなかで、カーニー総裁の見通しが注目されている。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
コメントを残す