19日のロンドン市場は、円買いが優勢になっている。ロンドン早朝の段階でドル円やクロス円はジリ安の動き。ドル円は104円台での輸出の売り注文観測があり、上値が重かった。欧州株が軟調に取引を開始するとドル円は103円台半ばへと下押し。テクニカルポイントとして注目される一目均衡表の雲の中に入る動き。そこに、次回の日銀決定会合では追加緩和見送り、17年度物価予想引き下げへ、物価目標2%達成の先送りも視野に、との報道が流れると、ドル円は103.25レベルまで下値を広げた。その後の戻りも103.40近辺までと限定的。
ユーロ相場の上値も重い。ユーロ円はドル円と歩調を合わせて114円ちょうど近辺から113.40近辺へと下押しされている。ユーロドルは序盤に1.10台に乗せる場面がああったが、対ポンドでの売りが加わると1.0970台へと反落している。あすのECB理事会を控えて神経質さが残る相場となっている。
ポンドはユーロ以上に神経質な振幅。ポンドドルは序盤に1.2257レベルに下値を広げたが、英失業統計を無難に通過すると買い戻しが入る。さらに、ドイツ政府が50条発動までは英国との事前の話し合いは行わないとしたことでポンドが一段高。ポンドドルは1.2332レベルまで買われた。その後はポンド円の売りが上値を押さえ1.22台後半へと再び軟化。ポンド円は127円台で神経質に上下動するなかで、NY序盤にかけては127円割れ水準へと軟調な動き。
資源国通貨は比較的堅調。NY原油先物が時間外取引で51ドル台を一時回復しており、欧州株も取引中盤にかけては下げ渋っている。豪ドル円は、序盤の下落を戻しきれていないが79円台前半までの下落。カナダ円も79円近辺で取引されており、欧州通貨と比べると下げは限定的。
米10年債利回りは1.73%台半ばから1.74%台後半での上下動。前日比プラス・マイナス定まらない値動きとなっている。このあとのNY市場では、米住宅関連指標、ベージュブック、米金融当局者の講演など材料が多く、動意が回復しそうだ。ただ、あすにかけては第3回の米大統領選討論会が開催される。討論会も最終回となり、行方を見守りたいとのムードもあるようだ。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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