しばしば「プログラミングできるお金」とも呼ばれるビットコインは正しい人がそのビットコインを使用することを保証し、資金を送る前に正しい署名が使われていることを確認する。
先日、Blockstreamのコア技術開発者であるRussell O’Connor氏は彼がビットコインのテストネット上の新しい機能を加えることのできるElements Alpha サイドチェーンでいくつかの新しいスクリプトをテストしていることを明らかにした。
「コヴナント(covenants)」と呼ばれるこの新しいスクリプトのスタイルは、ビットコインユーザーが自身のお金を制御、制限、使用、および防御する方法の可能性を広げることができ、例えば取引所でハッキングが起きた際に盗まれたビットコインを救うことができるのではないかと期待されている。
これについて以前研究を行っていたIttay Eyal氏は「コヴナント」について、資金を失うことを心配するビットコインユーザーに対して恩恵をもたらす可能性を持っていると述べている。
ビットコインのスクリプトの拡張
ビットコインのスクリプトシステムは、セキュリティのためにかなりシンプルになっている。新しい機能を追加することは危険を生み出す可能性があり、テストに時間がかかる。サイドチェーンはメインのブロックチェーンにはまだつながっていないが、新しい事を試すことのできる場となっている。
Blockstreamが研究した2つのコヴナントスクリプトはそれぞれパラメータを持ち、そのスクリプトが有効であるかどうか、あるいはそのトランザクションが制約に基づいて使用可能かどうかを出力する。
Blockstreamは昨年6月より、これらの相互運用が可能なブロックチェーンでビットコインに追加される可能性のある機能の実験に取り組んできており、今回の取り組みは新しい機能をテストするためにこれらの新しいチェーンがどのように利用されるのかの一例である。
提案されている命令コードは新しい機能の基礎となってハッキングの被害に遭った取引所を救うことができるようになるかも知れない。
ユースケース
Blockstreamはこのアイディアに取り組む一方で、Cornell大学の研究者たちとの取り組みも開始している。
2月に、研究者のMalte Möser氏、Ittay Eyal氏、そしてEmin Gun Sirer氏は、ハッキングを受けた際にビットコインを取り戻すことができるビットコイン貯蔵方式のアイディアを提案している。(そして120,000BTCをハッキングによって失ったBitfinexの事件の後に注目された。)
「もしハッカーが盗んだビットコインをコントロールすることができないとなると、そもそも盗む動機がなくなるだろう。」とEyal氏は説明する。
他にもこの技術を用いたビットコインの貸付などもあるようだが、このアイディアは今は休止状態で、開発者たちはたった数か月前にこのアイディアの実行可能性に関する議論を始めたばかりだ。
しかし、今回のサイドチェーンにおけるテストはその実装に向けたステップとなるだろう。
この新しいスクリプトが安全であるかという問いに対して、Bitcoin Coreの開発者であるGreg Maxwell氏は「正しく実装されれば当然安全である。」と答えている。
Blockstream、サイドチェーンで盗難防止機能をテストはCoinPortalで公開された投稿です。
Source: Coin Portal
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