スケーリングビットコイン開催後にマイニングプールのViaBTCが同プールのクライアントソフトウェアをCoreからBitcoin Unlimitedにしたと発表した。これによってSegwitに影響が出る可能性が懸念されている。
スケーリングビットコインは10月の8日〜9日にかけてイタリアのミラノで開催されたイベントで、ビットコインが増え続ける取引に対応できるようにする方法について開発者や関係者が議論するイベントだ。
このスケーリング問題を巡っては現在1MBビットコインのブロックサイズを安易に大きくすべきではないと考えるCoreがSegwitやライトニングネットワークという問題解決のための新しい技術の開発に取り組んでいる一方で、2MBなどにブロックのサイズを引き上げるべきだと考えるClassicやUnlimited派が存在し、意見が分かれている。
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Segwitは現在開発者たちによって準備が進められており、リリース後に95%のマイナーの同意を得られればアクティベートできる。
ところが、Bitcoin Core以外(Unlimited とClassic) が10%以上の支持を得ており、Segwitの今後が危ぶまれるのではないかという懸念が出始めている。以下の図は過去1000ブロックの中でブロックサイズ引き上げを支持しているClassicとUnlimitedのものが色つきで表示されたものだ。
(出所:nodecounter)
ViaBTCのCEOであるHaipo氏はブログで10月8日〜9日にかけてイタリアで行われたBitcoin Coreのカンファレンス、スケーリングビットコインに参加した後、同マイニングプールのソフトウェアクライアントをBitcoin Unlimitedに切り替えた経緯を説明している。
彼は今回の切り替えを熟考し、マイニングプールのユーザーの理解を得た上での決断だとして、ブロックサイズを引き上げなければビットコインの成長が止まってしまい、失敗に終わってしまうからもしれないと述べ、またオンチェーンでの取引が増えるようにしなければビットコインを支えるマイナー達のビジネスモデルが崩れてしまい、利益を上げられなくなったマイナーが立ち去って行くとハッカーからの攻撃に対して弱くなってしまうと主張する。
Segwitやライトニングには否定的
Segwitについては、実質1.7MB分のデータがブロックに入るようになっただけではビットコインの問題解決を先送りにできるだけで根本的なスケーリング問題の解決にはなっておらず、またノード、ウォレット、ATM、取引所もSegwitに対応しなければならないため、期待される効果の割に業界が被る技術的な負荷が大きいと主張している。
さらにBitcoin Coreの取り組んでいるライトニングネットーワークの効果はかなり限定的だと続ける。
「ビットコインがなぜ使われるのか、考えてみて欲しい。早く承認されるからなのだろうか、それとも誰にもコントロールされない分散型のお金を使いたいからなのか。」ビットコインはスピードや効率と引き換えに安全性と強さを実現しているため、承認が遅いことは問題ではないと述べられている。また、ライトニングを使った取引を「ビットコインの取引」と考えるのはおかしいと述べ、これによって集中化が起きてしまうとも主張する。
Haipo氏は、ブロックサイズの引き上げはいずれ必要となり、ビットコインがこのためにハードフォークをしてもイーサリアムのように二つに分裂して両方のチェーンが存在し続けることはないだろうと述べている。
現在ViaBTCは2MBへのブロックサイズ引き上げを支持しつつ、UnlimitedのデフォルトとなっているBIP109へのシグナルはオフにしている。
全体を見わたすとBitcoin Coreへの支持が多いのだが、スケーリング問題の解決に向けてはまだしばらく議論が続きそうだ。
マイニングプールViaBTC、Unlimitedに切り替えはCoinPortalで公開された投稿です。
Source: Coin Portal
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