5日のロンドン市場は、ユーロ買いに転じている。週末のイタリア国民投票では改憲が否決、東京早朝の時間帯にはレンツィ伊首相は辞任表明を行った。定石通りユーロ売り・円買いとリスク回避の動きが広がった。ユーロドルは1.0506レベルまで下落。しかし、1.05台は堅持されてロンドン市場を迎えた。欧州株の反応に注目が集まった。寄り付き時には売りが先行したが、下げは限定的。すぐにプラスに転じると上げ幅を拡大。さすがにイタリア株には売り圧力が残っているが、伊株価指数も一時プラスに転じる場面があった。ユーロドルは1.06台を回復してからも買いが継続し、一時1.0730レベルまで高値を伸ばした。東京早朝の安値からは200ポイント超の反発。ユーロ円も平行して買われ、119円台後半から122.52近辺まで高値を伸ばした。
欧州高官からはイタリア国民投票の影響は軽微に留まるとの見方が示されていた。また、オーストリア中銀総裁は、イタリアの銀行の問題は解決可能、と述べた。懸案となっている伊モンテ・パスキ銀の株価は序盤に7%超安となったが、その後は下げ渋っている。注目度は比較的低かったが、この日発表された11月ユーロ圏非製造業PMI確報値は53.8と速報の54.1から下方改定されたが、水準自体は底堅い景況感を示している。また、10月ユーロ圏小売売上高は予想を大きく上回っており、消費動向の力強さが示されていた。
ポンド相場はユーロ買いに追随して上昇。ポンドドルは1.27台を回復、ポンド円は145円台後半まで高値を伸ばした。ただ、対ユーロでは先週末の買いを消している。この日発表された11月英非製造業PMIは予想を上回ったが、発表後のポンド買いの反応は限定的だった。
ドル円は東京早朝に112.88レベルの安値をつけ、その後は113円台後半まで買い戻された。ロンドン序盤には113円台半ばでの揉み合いで取引を開始。欧州株高とともに再び買いが強まり、114円台乗せから114.47レベルまで高値を伸ばした。12月1日につけた高値114.83レベルが視野に入る水準。日経平均先物は一時260円高。ダウ平均先物も100ドル超高となる場面があり、NY市場での最高値更新が期待されている。
NY原油先物は51ドル台前半から一時52ドル台に乗せた。現在は52ドル挟みの水準。リスク選好ムードに加えて、10日にOPECが非加盟国と会合を開くとの報道も好感されたもよう。ただ、資源国通貨買いの動きはユーロに比べると小幅に留まっている。豪ドル円は84円台半ばから一時85円ちょうど近辺に上昇。カナダ円は85円台前半から85円台後半までの上昇。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
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