日銀副総裁、「デジタル通貨発行の具体的な計画はない」  

11月18日、日銀と東京大学の共催カンファレンス「フィンテックと貨幣の将来像」にて日銀副総裁の中曽宏氏は講演を行い、その中でフィンテックと中央銀行について語っている。

 

講演の中ではフィンテックの特色として「ブロックチェーン」、「人工知能やビッグデータ分析」「スマートフォンの普及」を挙げてており、これらが起こすイノベーションの一つ、金融サービスの個別化においてはスマートコントラクトを利用した保険 (車の運転の仕方に応じて料金が変わるものなど)の実現可能性にも言及している。

 

仮想通貨が中央銀行や既存のお金にもたらす影響については「ビットコインのような仮想通貨が広範に、財やサービスの購入 に直接使われていけば、金融政策への影響も当然に考えられます。もっとも現段階では、ビットコインなどの仮想通貨が信認あるソブリン通貨を凌駕して拡がる可能性は低いとの見方が、国際的にも多いように思います。」と語っている。

 

中曽副総裁は、ビットコインのように信頼をゼロから作り上げるよりも信頼を得ている主体が一元的に通貨を発行する方が合理的であること、ビットコインの世界でも取引所を信頼して自分の鍵の管理を任せるケースがあるため、分散型は必ずしも集中型を淘汰するものではないこと、ファイナリティの問題等を指摘し、中央銀行は利用可能なテクノロジーを取り入れながら、最適な経済インフラを提供していく姿勢が求められるとの考えを示している。

 

また、先日スウェーデンの中央銀行がデジタル通貨の発行を検討している事が話題となったが、日銀はそのような計画は無く、今後調査を進めていく考えのようだ。

 

「日本銀行が現時点で、銀行券に代わり得るデジタル通貨を発行するといった具体的な計画を持っている訳ではありません。しかしながら、同時に日本銀行としても、ブロックチェーンや分散型元帳など新しい技術の理解に努めるとともに、そうした技術を中央銀行の業務の中で活用し、自らのインフラを向上させていく余地がないかも含め、調査研究を続けていく必要があると 考えています。」と述べている。

 

中曽副総裁は以前もカンファレンスにてブロックチェーンについて発言をしていたが、今回さらに日銀の仮想通貨への姿勢が明らかになった。

 

日銀副総裁、「デジタル通貨発行の具体的な計画はない」  CoinPortalで公開された投稿です。

Source: Coin Portal

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