【NY市場】ドラギ会見を受けてユーロ売り強まる

 きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となった。この日発表された米景況感指標や中古住宅販売が強かったほか、本日はECB理事会が行われ、ドラギ総裁の会見を受けてユーロ売りが強まったことが相対的にドルを押し上げている。

 ECB理事会は予想通りに政策変更は無かった。ドラギ総裁は会見で、量的緩和(QE)の期限延長も縮小も、どちらも議論しなかったとしている。12月に発表される最新のスタッフ見通しをもとに再評価するとしており、判断を12月に先送りした格好となった。

 ただ、総裁が「QEを縮小することなく唐突に停止することは恐らくない」と述べたことに市場は敏感に反応し、12月には2017年3月までとしているQEの期限の延長を示唆した発言と受けとめた模様。

 ドル円は米中古住宅販売件数の発表をきっかけに買い戻しが強まった。ストップを巻き込んで一時104.10付近まで回復している。ただ、104円台を固める動きまでは見られなかった。このところ104円台に入ると上値が重くなる展開が続いており、輸出企業の売りオーダーなども観測される中、現状はまだ抵抗感が強いようだ。

 しかし、下戻す動きも見られず103円台後半の水準は維持している。前日、103円台前半の100日線付近まで下落していたが、きょうの上げでひとまず、リバウンドの流れは維持された格好となっている。上値レジスタンスとしては、104.35付近と104.65付近などが意識されそうだ。

 一方、ユーロドルはドラギ総裁の会見を受けて1.09台前半に下落。目先は英国民投票直後の安値1.0905付近が下値サポートとして意識される。

 ポンドは買戻しの動きが続いた。序盤はドラギ総裁の会見を受けたユーロ売りに連れ安する動きも見られていたが、動きが一巡すると買い戻されている。ポンドはこのところの急ピッチな下げから過熱感も出ており、今週はショートカバーが優勢になっている。ただ、あくまで自律反発の範囲ではあろう。

 きょうはEU首脳会談が開催されており、メイ英首相は就任後初めての出席となる。EUのトゥスク大統領をはじめ、EU首脳からは、英国が正式にリスボン条約50条を通告するまでは離脱交渉は始めないとの姿勢が強調されていた。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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