中国の分散型台帳技術基礎協議連盟(ChinaLedger)は、今年5月に結成されたブロックチェーン技術研究のためのコンソーシアムだ。今回編集部は、同組織のチーフ・アーキテクト(技術委員会主任)である白 硕氏に現在の取り組みについてうかがった。
白 硕氏は上海証券取引所前CTOであり、中国金融標準化技術委員会証券分委員会副主任、中国のコンピューター・インターネット情報安全管理センター技術管理部部長(国家计算机网络与信息安全管理中心技术管理处处长)などの役職も兼任する。
海外顧問にVitalik Buterin、Jeff Garzikなど
ChinaLedgerの発起人は中国のブロックチェーンのスタートアップである矩阵金融(Juzhen Financials)、非営利のブロックチェーン研究機関である万向区快链实验室(Wanxiang Blockchain Labs)など11の企業。海外顧問は、イーサリアムの創始者Vitalik Buterin氏、ビットコイン コア開発者のJeff Garzik氏、R3コンソーシアムのTim Swanson氏、トロント証券取引所エグゼクティブのAnthony Di lorio氏と錚々たる顔ぶれが並ぶ。
ミッションとゴール
白氏はChinaLedgerのゴールを短期的には「中国国内で需要を満たした安全な分散型台帳技術のプラットフォームを構築すること」、中長期的には「そのプラットフォームの実地での利用場所を選び、場面に応じた開発を行い、その基礎コードを構成員間でシェアしていくこと」だと話す。現在は、既存の技術体系から分散型技術について学んでいるところだ。
今後は、ホワイトペーパーの編纂→ChinaLedgerがプロジェクトで参考にするアーキテクチャの確定→具体的な導入シーンの選定→ChinaLedgerが利用する分散型台帳技術とスマートコントラクトの枠組完成 という流れで活動を進める。
現在は、まず既存の技術体系の中から特にBitcoin、Ethereum、Bitshare、Ripple、Hyperledger、Cordaの6つについて研究し、パブリック型、コンソーシアム型などの選択肢についても検討している段階だ。「将来的には基礎技術面で貢献できるような独自開発を行うことが目標ですが、まずはオープンソースで出ている既存の技術を利用して、安全なプラットフォームとその利用シーンを模索したいと思っています。スマートコントラクトが行えるレベルに到達するのがその次の目標です」と白氏は語る。
元上海証券取引所のCTOとして見る可能性は 目標は100,000/秒
さしあたって、まず最初に稼働させるプラットフォームについてはコンソーシアム型を想定している。プライバシー対策については送信者、受信者、レギュレ―タ―とサードパーティとの権限を変えることで対応する構想だ。性能としての最終的な目標は、100,000/秒。現在のブロックチェーンから見ると非常に高い目標数値だが、将来的に実用することを想定して敢えて高い数字を掲げる。
その他の研究課題としては、法定通貨とペッグしたトークンの発行やスマートコントラクトの応用(違法性の高いトランザクションを排除することができるかどうか、等)を想定する。
「ブロックチェーンはまだ開発途中の段階です。現段階で人民元のような大きな取引量のものを扱うことにはキャパシティや安定性の面で不安が残ります。まだまだ開発が必要でしょう。ただし、OTCマーケットでは技術利用できることがあると確信しています」と白氏は語る。
中国では、このChinaLedger設立の後にも別にブロックチェーン金融連盟が発足。ブロックチェーンに対する関心は行政、金融機関ともに高まっているといえる。
インタビュー:Chinaledger 白 硕氏 中国の分散型台帳技術への取り組みはCoinPortalで公開された投稿です。
Source: Coin Portal
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