【NY市場】ドイツ銀行の信用不安が一服 ドル円は101円台半ば

 きょうのNY為替市場、前日はドイツ銀行の信用不安の台頭からリスク回避の雰囲気が強まり、円相場は円高が強まったが、きょうはその動きが一服している。一部報道でドイツ銀行が米住宅ローン担保証券問題をめぐり米司法省と54億ドルの和解金で合意に近づいていると報じられた。

 ドイツ銀行の信用不安を強めた要因として、上記の問題で米司法省が140億ドルの和解金を要求したことがトリガーとなっていた。実際には半分以下になるのではとの見方も出ていたが、上記の報道通りであれば、不安も一服しそうではある。ただ、ドイツ銀については、今後も経営不安は根深そうだ。

 ドル・円は朝方、100円台に下落して始まったものの、101円台半ばに戻す展開となった。今週は何度となく100円割れを試したが、ブレイクしきれなかった。準政府系の買いオーダーなども観測されていたようだが、期末ということもあり、ショート勢のショートカバーがひとまず出ていた模様。

 ただ、ドル・円の上値を積極的に追う材料はない。日銀のイールドカーブ操作への政策変換が緩和縮小かどうかの議論はともかく、少なくとも円安を誘発するような緩和拡大策ではないであろう。一方でFRBは年内の利上げ姿勢を堅持してはいるものの、確信には至らない状況。来週から10月相場に入るが、現状では、これまでの日米金融政策の格差拡大への期待からドル円を買うというシナリオは容易には選択できないであろう。来週以降の指標待ちといったところだ。

 ユーロドルは朝方、一時1.1150近辺まで下落し、これまで強いサポートとなっていた100日線を下回り、200日線の水準まで下落している。ただ、ドイツ銀行の株価の反発をにらみながら1.1250近辺まで上昇する展開。

 独銀の経営不安は今後も焦点になりそうで、ドイツ政府が公的資金注入などの支援ができるかどうかが問題になろう。特にドイツは来年に総選挙を控えており、メルケル首相としては、移民政策に引き続き、これ以上、国民に人気のない政策は避けたいところとも思われる。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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