きょうのNY為替市場はドル買いの動きも見られたものの、方向感がない。きょうはイエレンFRB議長の議会証言が行われ、年内利上げの可能性を示したことからややドル買いの動きも見られた。しかし、一時的な動きに留まっている。また、終盤にはOPECが日量3250万バレルの産油制限で合意との報道も伝わった。商品市場で原油が上昇し、米10年債利回りもマイナス圏からプラスに浮上したが、為替市場でのドル買いの動きは、さほど強まっていない。市場は利上げに慎重な見方を崩していないようだ。
なお、朝方に8月の米耐久財受注が発表になっていたが、全体では予想を上回ったものの、GDPの算出に用いられる資本財の製造業出荷(非国防/除航空機)は前月比-0.4%と予想(+0.1%)を下回ったことからポジティブは反応は見られていない。
市場の懸念の一つに、第3四半期の米GDPが期待したほどの伸びが無いのではとの懸念もあるのかもしれない。米GDPは第1、第2四半期と予想を大きく下回り、年率換算で1%台の低成長となっている。それゆえに、第3四半期に大きな期待がかかっていたが、7、8月分のデータを見ると期待ほどの強さはない可能性も出始めているようだ。当初は3.5%近辺の高い成長が期待されていたが、現在は3%を下回り、なかには2%台前半との見方も出ている。
ドル円は100円台後半に上昇。一時100.80水準に上昇したものの、101円台を試す力強さまでは、きょうのところは無かった。依然として市場は下向きで見ているようで上値では戻り意欲も強いようだ。
ユーロドルはドイツ銀など独銀に経営不安が台頭する中、一時1.1180近辺まで下落。強いサポートとなっている100日線に顔合わせしたが、後半には1.12台に戻し100日線は維持された。ドイツ銀の株価は最安値を更新していたが、きょうは反発していた事もサポートしたようだ。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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