きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となった。日本時間午前に行われた米大統領選のテレビ討論会でクリントン氏が優勢との見方が広がっている。クリントン氏はどちらかと言えば、金融市場に厳しい印象もあるが、トランプ氏よりはまだマシということなのかもしれない。この日発表になった米消費者信頼感指数が強かったこともドルをサポートした。
ユーロが弱かったという面もある。ドイツ銀やコメルツ銀など独銀の経営不安が強まっており、不透明感が台頭している。
ドル買い優勢もドル円は前日同様に戻り売りに押された。クリントン氏優勢との見方にドル円も東京時間には101円手前まで上昇したが、やはり上値は重い。独銀の問題などリスク回避のムードがドル円を圧迫したようだ。また、101円台を回復できずに失速したことから、短期筋の見切売りも出ていた模様。
100円割れを本格的に試そうという動きまではまだ見られていないが、きょうの展開を見ると、投機筋やファンド勢は、上値で戻り待ちの売りを活発に入れている雰囲気もうかがえる。
ユーロは方向感が定まらない。独銀の経営不安が問題視される中、ユーロドルは戻り売りに押され、一時1.11台に下落している。先週のFOMCを通過し、市場には米利上げに対する懐疑的な見方も強まっているが、それをきっかけにユーロドルは買戻しが顕著に見られていた。100日線も回復し、8月以降のリバウンドの流れに回帰した雰囲気も出ていた。
しかし、きょうの展開を見ると不透明さも感じれる。投資家も様子見姿勢を強めているようで商いは薄い。目先は100日線が1.1185付近に控えており、サポートとして意識される。この水準を維持できるようであれば、リバウンド継続も期待されることから、重要なポイントとなる。なお、その下には200日線が1.11台半ばに来ている。
ポンドはNY時間にかけて買い戻しの展開。特に対ユーロでの買戻しが目立っている。ここ数日、EU離脱問題への不透明感から、ポンドは軟調さが際立っていた。きょうの買い戻しに特段の材料はなかったが、ポンドドルが心理的節目の1.30を一旦割り込んだことで達成感が出ているのかもしれない。また、今週は9月末の週でもあり、月末絡みや、ビール大手サブミラーなどM&A絡みの実需買いも噂されていた。
ポンドドルは1.30台を回復しているが、1.30を超えてくると戻り売りも活発に出る模様。EU離脱交渉への警戒感は根強く、関税同盟など完全にEUから離脱するハード・ブレクジットの可能性も高まっている。きょうは買い戻しが優勢となったが、ポンドに対する市場の目は依然として下向きのようだ。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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