きょうのNY為替市場、ドル買いが先行したものの、後半に戻り売りに押されている。先週は結局、米上院がつなぎ予算案を可決できずに一部米政府機関は閉鎖されたが、市場は冷静な反応を示していた。2013年のオバマ政権時でも同様に政府機関閉鎖に追い込まれたが、その間の米株は逆に上昇しており、過去の実績から市場も冷静に見ていたのかもしれない。
そのような中、米上院が移民問題を協議することを条件に2月8日までの暫定予算で合意しそうなことからドルは買いが優勢となった。米上院は採決を行う動議を既に可決しており、本日中にも採決が実施される見通し。トランプ大統領も署名する方針だ。
ただ、可決できたとしても2月8日までの暫定予算で、焦点となっている移民問題に関してもトランプ政権は方針に変更はないともしており今後も混迷が予想される。ドルは上げの勢いを維持できずに次第に上値が重くなっている状況。
ドル円は一時111円台を回復。ショートカバーを呼び込み一時111.20円付近まで上昇した。ただ、次第に伸び悩み110円台に戻している。
明日は日銀決定会合の結果発表が予定されている。現状維持が確実視されており、注目は黒田総裁の会見ということになる。一部では世界的な景気拡大の中、日銀の出口戦略への思惑も高まっている。しかし、全国消費者物価指数(CPI)は依然として低水準で推移する中、黒田総裁は緩和姿勢継続を強調してくる可能性が高い。ただ、市場はそのこと自体は織り込んでいるものと思われ、会見から垣間見られる出口戦略への糸口を探りたいものと見られる。
ユーロドルは米上院の動きを受けて1.22ドル台前半に値を落としたものの、1.2260ドル近辺まで戻している。下値での押し目買い意欲が根強い。今週はECB理事会が予定されており注目を集めそうだ。今回は特にガイダンスには変更はないと見られている。しかし、ドラギ総裁の会見がこれまで通り慎重姿勢を強調するようであれば、ユーロは調整が入るリスクも警戒されている。景気自体は好調だが、足元のインフレはまだ目標に向かう気配まではまだ見せていない。
しかし、景気回復への期待からユーロ売りの反応があっても一時的との見方も出ている。
ポンドは力強い動きを続けており、対ドルでは1.3965ドル近辺、ポンド円は155円台に上昇し、英国民投票後の高値更新が続いている。このところポンド買いが強まっているが、英EU離脱交渉へ向けて楽観的な雰囲気も見られるようだ。
今週は英雇用統計や英GDP速報値が発表され、英中銀の見方を裏付けるか注目される。金曜日にはカーニー総裁のダボス会議での講演も予定されている。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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