【ロンドン市場】円安水準で揉み合い、手掛かり難も調整は限定的

 10日のロンドン市場は、円安水準での揉み合いが続いている。この日はロンドン・米国市場ともに、相場の手掛かりとなるような主要な経済統計の発表に欠けている。週半ばのイエレン米FRB議長半期議会証言や、週末にかけての米小売売上高、消費者物価指数などの発表を控えて模様眺めムードとなりやすくなっている。

 ドル円は114円台前半での取引。先週末の米雇用統計後のドル買い・円売りの流れが週明けも継続。東京午前に再び114円台に乗せると、ロンドン序盤には114.30レベルまで高値を伸ばした。ただ、欧州株高も上値追いは一服、一時114.05近辺まで反落。その後は揉み合い商状となっている。

 ポンド主導で欧州通貨は売りが優勢。ポンドドルは序盤に1.29台乗せ、ポンド円は147.45近辺へと買われたが、その後は売りに押されている。ポンドドルは1.2860近辺、ポンド円は146.80近辺まで反落。その後は売り一服となっている。英議会で火災警報があり避難する騒ぎが報じられているが、ポンド相場の直接の反応はみられなかった。

 ユーロはポンドと比較すると小動き。1.1418レベルまで買われたあとは1.1382レベルまで反落。ユーロ円は130.40レベルまで高値を伸ばしたあとは130円ちょうど近辺までの下押しに留まっている。5月のユーロ圏貿易黒字は220億ユーロと予想を上回った。輸出が前月比1.4%増と予想以上だった。

 ユーロ関連の動きでは、ユーロスイスの上昇が目立っている。1.10台の大台乗せから1.1015近辺まで高値を伸ばす動き。昨年6月以来のユーロ高・スイスフラン安水準となっている。ECBとスイス中銀の金融政策スタンスの強さの差がでているようだ。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明

Source: klug

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