【NY市場】ドル円は113円台前半で振幅 ユーロ買いが再び強まる

 きょうのNY為替市場はユーロ買いが再び強まっており、ドルは軟調な展開となった。そのような中、ドル円は113円台前半での振幅が続いた。

 この日発表になったADP雇用統計が予想を下回ったことや、米株が下落しており、ドル円も序盤は戻り売りが強まっている。ただ、米国債利回りが上昇していることもあり下値はサポートされ、113円台は維持した。根強い円安の動きもフォロー。

 ADP雇用統計については、雇用増加数が予想を下回ったものの、完全雇用の中では堅調な労働市場を示しており、市場の関心は雇用者数よりも賃金などインフレ系に移っており今回は、さほど強い関心はなかったようだ。

 また、米株の下げについてはIT・ハイテク株の調整売りが依然として続いており、また、各国中銀が出口戦略へ舵を切る中、今月の決算発表に向けて調整の動きが続いている。IT・ハイテク株はこの先もテーマが数多くあることから期待感は根強い。決算を確認すれば再び上値を追う展開も想定され、円相場への影響を考慮すれば、動向は要注目ではある。

 米国債利回りの上昇については、ドイツ国債の利回り上昇に追随しているようだ。きょうのECB議事録やフランス国債の入札が不調だったことがきっかけとなっている模様。

 ドル円は113円台前半での振幅が続き様子見気分が強い。明日の米雇用統計の平均時給のデータを待ちたいところのようだ。

 一方、ユーロは一本調子の上昇を見せ、対ドルでは1.14ドル台を回復。対円でも129円台に上昇している。ロンドン時間に発表になったECB議事録やフランス国債の不調な入札を受け、ドイツ10年物国債の利回りが2016年1月以来の0.5%台を回復したことがユーロを押し上げていたようだ。

 ドイツ国債については、2013年に米国債で見られた量的緩和の拡大ペース縮小期待が、過剰に長期金利を押し上げ、市場を混乱させるテーパー・タントラムも警戒される動きではある。なお、ECB議事録では「資産購入拡大の用意」という文言の削除も議論されていたことに市場は食いついている。

 ポンドも底堅い動きを続けており、ポンドドルは序盤の1.29台前半から1.29台後半に上昇している。ただ、1.30には慎重さも見られる。利上げ期待が高まっているが、インフレ以外の足元の指標は弱いことがユーロとの違いのようだ。

 ポンド円は朝方の146円台前半から146円台後半に戻す動き。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美

Source: klug

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