きょうのNY為替市場でドル円は堅調に推移。ロンドン時間には111円台後半での推移が続いていたが、112円は上値抵抗となっていたが、NY時間に入って112円台を回復している。米国債リ利回りが上昇し、米株も終盤に伸び悩んだが、IT・ハイテク株も落ち着いており、原油も買い戻しが強まったがサポートとなったようだ。
原油については、米大手石油ガス開発のベーカー・ヒューズが今週の米国内の原油の掘削装置(リグ)稼動数を発表していたが、24週ぶりの減少となったことが好感されている。
ドル円はポイントとなっている112.40/50水準まで戻した。年初から4月にかけての下降波のフィボナッチ38.2%戻しの水準が112円台前半に来ている。前日は失速してしまったが、きょうはこの水準を突破して終わっており、方程式通りであれば、50%戻しの113.40近辺までの上昇も期待される状況。
来週以降、113円台を試しそうな気配もありそうだが、来週は米雇用統計をはじめ、米経済指標の発表も多く、FOMC議事録、そして、FRBによる金融政策報告の議会提など重要イベントが多い。それらを受けてドルが復活できるか注目の週となりそうだ。
一方、ユーロドルは売りも見られ、ストップを巻き込んで1.14を割り込む場面も見られたが、1.14台はしっかりと維持されており底堅さを維持した。過熱感は否めないものの、ECBの出口戦略への期待が根強く、ユーロへの資金の流れは続いているようだ。
また、ポンドも力強い動きを続けており、ポンド円は146円台に再び上昇。ポンド円は8日連続の陽線となっており、着実に上値を切り上げている。
今週のカーニー英中銀総裁の発言で市場の一部には、早ければ8月にも利上げとの見方も強まっている。インフレは許容範囲上限の3%に迫っており、英中銀も警戒感を高めている様子もうかがえる。
ただ、インフレ以外の足元の指標は利上げを正当化しないようだ。この日発表になっていた1-3月期の英GDP確報値の中の貯蓄率は1.7%と統計開始以来の過去最低となっていた。賃金の伸びが鈍い中、インフレが急速に進んだことから英消費者も、貯蓄の余裕が無くなったためと見られている。
個人消費は改定値から上方修正されたが、10-12月期からは伸びが大きく鈍化した。英利上げは市場が期待しているほど簡単ではないのかもしれない。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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