きょうのNY為替市場でドル円は伸び悩んだものの、底堅さも見せている。この日発表になった第1四半期のGDPは、個人消費が弱かったことから予想を下回る内容となった。ただ、ドル円は逆に、米国債利回りの上昇と伴に買いで反応。
同時に発表になった第1四半期の米雇用コスト指数が予想以上に上昇していたことや、PCEデフレータも前期比年率換算で2.0%に上昇していたことから、逆にインフレ期待が高まっている。
GDPの弱さについても事前に織り込まれていた面も大きく、一部にはマイナス成長への懸念も出ていただけに、ネガティブな反応は見せなった。市場では、今回の落ち込みは一時的で、FRBの利上げ方針に影響はないとの見方が有力だ。個人消費については自動車関連の落ち込みが影響した。
ドル円は一時111.70近辺まで上昇したものの、その後は戻り売りに押されている。米株が上値の重い動きをしたことが圧迫しており、米国債利回りと伴に伸び悩む動きとなった。
ただ、米10年債利回りは下げに転じ、2.30%を再び下回ったものの、ドル円はこれまでのように連動する動きを見せなかった。下値ではロング勢の押し目買いも見られ、底堅さもうかがわせている。
一方、ユーロ円は121円台半ば。この日発表の4月のユーロ圏消費者物価指数の速報値は、コア指数が前年比1.2%と予想を上回り、2013年6月以来の伸びとなった。
前日のECB理事会後のドラギ総裁の会見ではインフレ基調に確信が持てないと慎重姿勢を強調していたが、市場は6月に出口戦略に向けてガイダンスを変更してくるとの期待感が高い、きょうの指標はその期待を裏付ける内容となった。
これを受けユーロ円も買いが強まり、122円ちょうどを付ける場面も見られた。122円台は上値も重いようだで、NY時間にかけて伸び悩んだものの、121円台半ばの水準は維持しており、リバウンドの流れは続いている。目先は今年に入って上値を抑えられている123円台が上値目標として意識されそうだ。
ポンドは強い動きが続いており、ポンド円は144.50近辺まで一時上昇。ドル円の底堅い動きもあったが、ポンドの上値追いの動きが止まらない。ポンド円は着々と145円に近づいているが、当面の目標としては、12月につけた高値148円台半ばが意識される。
なお、米上下両院で、来週金曜日までの短期の暫定予算案を可決した。きょう中にトランプ大統領が署名する見通しで、ひとまず政府機関閉鎖は暫定的に回避される見通し。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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