【ロンドン市場】ポンド相場大荒れ、英総選挙めぐる報道で

 18日のロンドン市場は、英総選挙をめぐる報道でポンド相場が乱高下している。序盤はポンド売り。英BBC政治担当記者がツイッターで、メイ英首相が現地時間午前11:15に声明を発表、と報じたことに反応。市場では発表内容に不安感が広がった。ポンドドルは1.26台乗せ水準から1.25台前半へ、ポンド円は137円台前半から136円台前半へと急落。朝方にはユーロ売り・ポンド買いのフローが優勢だったが、報道後は一気にポンド売り方向に転じている。英10年債利回りは一時1%の大台を下回った。

 メイ英首相は首相官邸前の演説で、6月8日の総選挙実施を検討する、と宣言した。この報道を受けてポンドは買いの反応を示している。ブレグジットに一部政党が反対していることが背景にあるという。ポンドは下げを消したあと、さらに上伸。ポンドドルは1.26台後半と約2ヶ月ぶりの高値水準に。ポンド円は137円台を回復したあと、さらに138円に乗せる場面があった。ユーロポンドは序盤に0.85台に乗せていたが、演説後には0.84台前半まで下押し。いずれも序盤の動きの倍返しとなる激しい相場となった。

 その他主要通貨も振幅。ドル円は東京午後の109円台を維持できず、序盤には108.67レベルまで下押し。仏大統領選への不透明感やNY原油先物の下落などリスク回避ムードもあって円買いが先行した。しかし、ポンド円の急反発とともに109円付近まで戻す上下動となっている。日米経済対話では、近いうちに具体的成果で一致、としており、この日は踏み込んだ内容はでてきていない。

 ユーロ相場はポンドにつれた動き。ユーロドルは1.06台半ばでの揉み合いからジリ高となっていたが、ポンドドルの急伸とともに1.0677近辺へと高値を伸ばしている。ポンド円は116円を挟んだ上下動。序盤に115.75近辺まで下落も、中盤にかけては116.29レベルに本日高値を伸ばした。

 ポンド相場を中心に、この日はリスク動向よりは短期ポジションの投げ合いの様相を呈していた。仏大統領選に加えて、6月8日には英総選挙が実施される可能性が高まっており、政治リスク要因がまた一つ増えた格好。 

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明

Source: klug

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です