【NY市場】ムニューシン発言で終盤にドル買戻し ドル円は109円台に一時戻す

 きょうのNY為替市場は終盤になってドルの買戻しが強まった。北朝鮮問題を始めとした先週までの地政学リスクは一服しており、ドルは下げ渋る動きが出ている。ただ、先週金曜日のグッドフライデーに発表になった米消費者物価(CPI)や米小売売上高の弱さを改めて反映させる動きも出て、序盤はドルの上値は重かった。

 地政学リスクを反映して、このところの米国債利回りは下げが続いているが、インフレ期待を示すブレーク・イーブン・レートは10年債で、1.88%台と昨年12月以来の低水準に落ち込んでいる。実際、ファンダメンタルズ的にインフレ期待が低下しているかは未知数だが、米国債市場は地政学リスクと相俟って修正の動きが続いているようだ。

 しかし、終盤になってムニューシン米財務長官の英FT紙とのインタビューが伝わりドルの買戻しを強めている。年内の税制改革実施をなお予想と述べたことに反応。また、財政赤字よりも経済成長を重視する姿勢も示していた。

 ドル円は109円台を一時回復。米株が反発するなど北朝鮮リスクは一服し、円高の動きは緩んでいたものの、ドル売りが圧迫していた。しかし、ムニューシン米財務長官の発言で、108.50より上のストップをつけて109円台を一時回復している。

 市場のトランプ大統領への最大の期待は大型減税にあり、その話題が出てきたことは安心感をもたらしたようだ。

 ユーロドルは序盤は買いが優勢となり、1.06台後半に上昇。欧州勢はイースターマンデーで休みの中、ドル売りの動きがユーロドルを押し上げた。一時1.0670近辺まで上昇。目先は21日線が1.07ちょうど付近にきており、上値メドになりそうだが、1.06後半に入ると上値は重い。先週は何度か試す動きが見られていたが、いずれも上値を拒まれている。終盤になるとドル買い戻しに押され、1.06台半ばに伸び悩む動き。

 今度の日曜日に仏大統領選の1回目の投票が控えている。場合によってはEU離脱の可能性を主張している極右のルペン氏と極左のメランション氏の動向が注目される。どちらかが5月の2回目の投票に進む可能性はあるものの、いずれも敗れるとの見方がいまのところは優勢。

みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug

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