ビットコイン週間概況‐3/17~3/23

Prices provided by bitFlyer

【執筆者】グレン・ランバート(Glenn Lambert)。ニュージーランド出身。2002年に来日し、英国を本拠とするADVFNの日本法人でマネージャーとして従事。FX,株式などの分析ツールのほか、著名レポートも配信している。

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週間概況と最近の話題

ビットコインのスケーリングについての議論はいつも混乱の原因になります。この課題について2年以上も激しく議論されているにも関わらず、ビットコイン価格は上昇し続けています。これはビットコインが許容限界に対する懸念に、抵抗力があるアセットクラスだと考えられます。

しかし、仮想通貨市場におけるビットコインの独占状態は最近揺るぎ始め、今週の火曜日、ビットコインの時価総額は歴代最低である仮想通貨市場全体の72％にまで落ち込みました。通常は80％以上であり、この時価総額の落ち込みによって2009年に始まって以来、初めてビットコインは仮想通貨の時価総額市場シェアの4分の3以下になるりました。

では市場シェアの減少は何が要因なのでしょうか？すべてはBitcoin Core派が「増加する需要に対して十分ビットコインのスケーリングに取り組んでない」という考えから来る苛立ちによります。現在のブロックサイズは1MBで、多くのブロックは限界が近づいているため、ブロックサイズを増加させるという論点は意味があります。しかし、Bitcoin Core派は実にゆっくりと悠長にスケーリングの解決策に取り組んでおり、その結果としてはSegregated Witness(SegWit)というソフトフォークとして公表されました。しかし、多くはSegWitでは、必要とされているスケーリング能力が提供できないと考えており、これにより一部の開発者が独自の解決策を作成しました－それがBitcoin Unlimited(BTU)という考え方です。Bitcoin Unlimited派はブロックサイズの増加を提案しますが、詳細はネットワークのユーザー達の合意により決定されます。

現在まさにBitcoin Core派が望んでいるネットワークアップグレードであるSegWitとBTUの間で綱引き状態が発生しています。BTUはビットコイン業界の著名なメンバーから多大な支援を得ています。SegWitとBTUが数ヶ月間利用可能になっているにも関わらず、どちらの解決策もビットコイン価格にあまり影響を与えていません。しかし、このビットコインコミュニティー内の派閥に関するニュースやビットコイン用語でどちらのフォーク（分裂）でも取引を含むことができる能力を意味する「リプレイアタック」の可能性に、トレーダーは狼狽させられました。その結果、ビットコイン価格はbitFlyer取引所でJPY 150,000の高値からJPY 105,001の安値まで下落しました。
しかし、ビットコイン取引所のいくつかはBitcoin Core派とBitcoin Unlimited派を別々にサポートすることはできないと公言しました。これらの取引所は合計で21社で、BTU仮想通貨をビットコインと共にアルトコインとして取引すると言い、これはBitcoinを置き換えようとするBTU派の計画に大打撃を与えることになります。この問題に対するいくつもの取引所の共同声明はビットコインコミュニティーの大部分を落ち着かせ、これによってまた価格上昇が再び期待されています。

過去の価格との比較

Source: ビットフライヤー