30日のロンドン市場は、月末・期末などでフロー主導の上下動。そのなかではユーロが比較的軟調に推移しており、前日の英政府のEU離脱後のユーロ売り圧力が残る格好となっている。
ユーロドルはロンドン序盤に1.0730近辺へと下落し、その後も1.07台前半の安値圏に留まっている。取引中盤にかけてはその他主要通貨がやや買われる中で、ユーロは安値に取り残されている。ユーロ円は119円台前半、ユーロポンドは0.86台前半、ユーロ豪ドルは1.40台割れなど、いずれもユーロ売りが進んだ。
前日の英政府による正式なEU離脱通告が今後の英欧経済、政治情勢への不透明感となっており、改めてユーロが売られている。また、この日発表されたドイツ各州の3月消費者物価指数は前回から伸び鈍化となったことや、ユーロ圏景況感が予想外に低下したことも重石。当局者発言もユーロ売りを連想させた。ノボトニー・オーストリア中銀総裁は、時期尚早な利上げという失敗は望まない、と発言。プラートECB専務理事は、インフレの進展について充分な信頼感は得られていない、リッカネン・フィンランド中銀総裁は、ECBはフォワードガイダンスへのコミットを堅持するべき、などと述べた。
ドル円は序盤に110.94近辺まで下押しされたが、その後は111円台前半へと戻している。ポンド円は137.75近辺に下押し下げた後は138.50近辺へと上昇、豪ドル円も85円割れに下落後は85円台前半に買い戻し。いずれも東京タイムからの下げを消す動きがみられている。ただ、欧州通貨は序盤に小高く取引を開始したものの、中盤の取引では総じて前日比マイナスに転じており、リスク動向は不安定になっている。月末や期末関連のフローで神経質に上下動も、全般的な方向性は見えにくい相場になっている。
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug
コメントを残す