【ロンドン市場】総じて模様眺めムードも、ユーロには仏政局不安で売り圧力

 8日のロンドン市場では、総じて模様眺めムードも、ユーロには仏政局不安で売り圧力がみられた。

 ドル円は112円台前半での取引に終始している。東京午前につけた高値112.54レベルと安値112.04レベルのレンジ内で推移している。昨日発表された米貿易統計への市場の反応が少なかったことで、日米首脳会談の結果を見極めたいとのムードが広がっている。米貿易赤字に占める対日赤字は対中に次ぐ金額。日本の経常黒字でも対米の占める割合がトップとなっている。これにトランプ大統領がどのような主張を繰り広げるのかが注目されている。

 ポンドは前日からの高値水準を維持している。ポンドドルは1.25挟みの水準。ポンド円は140円台前半を中心とした上下動に留まっている。前日にフォーブス英中銀委員が、英経済は早期の利上げを必要とする可能性を指摘したことがポンド相場を押し上げていた。きょうは主要な英経済指標の発表はなく、このあとの英上院でのEU離脱法案の採決が待たれている。

 ユーロ相場は軟調。仏政局不安の影響が引き続き残っている。フィヨン氏に家族への不正給与疑惑に続いて、マクロン氏にも不倫疑惑が湧き上がっており、4-5月の大統領選まで不安定な状況が続きそうだ。ギリシャ支援問題が再浮上してきていることもユーロにとっては重石。フランス債とともにギリシャ債もドイツ債との利回り格差が高水準になっている。ただ、きょうは一段の拡大は一服。欧州株も下げ渋っている。ユーロドルは1.06台後半から1.0640近辺へ、ユーロ円は119円台後半から119.40近辺へと下落したが、取引中盤にかけては下げは一服。ただ、戻りは限定的。

 このあとのNY市場では、主要な米経済統計の発表予定はない。米週間石油在庫統計や、米10年債入札などが材料となるか注目したい。もちろん、引き続きトランプ大統領の発言などへの注意は怠れない。
 
みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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