きょうのNY為替市場、NY株式市場でダウ平均が、初の2万ドルの大台を達成するなど株式市場が好調なことが、米国債利回りと伴にドルを押し上げている。ドル円もNY時間の朝方は売りが強まり、113円ちょうど付近まで下落する場面も見られた。ただ、113円は割り込まずに一気に反転。
しかし、株高と比較すると昨年暮れのようにドル高が進行していない印象もある。これだけの雰囲気にもかかわらず、ドル円は114円手前で上値を抑えられ、ユーロドルも1.07台を堅持している。終盤には見切売りからドル円は113円台前半に急速に伸び悩む動きも見られた。
やはり、トランプ大統領の保護主義政策、そして、ドル安政策誘導への疑念が頭おもたげるのであろう。いまのところドルに関しては、株のようには行かないようだ。
トランプ政権の減税やインフラ整備、規制緩和など経済政策への期待の一方で、ドル安政策への警戒感が対峙しており、ドル円は上にも下にも行けず、113円台での上下動に終始している。
ユーロドルも軟調な動きを見せ、1.07台前半まで下落。ただ、ユーロドルは何度も下値を試すものの、1.07台はしっかりと維持されている。
ユーロ関連の話題では、イタリア憲法裁判所が下院の選挙法の一部は違憲との判決を下した。現在の下院選挙制度は2回投票制だが、2回目の投票は違憲とした。判決が明確な内容であることから、早期に選挙が行われる可能性が高まっている。
世論調査からすれば、2回投票なら反体制派「五つ星運動」が勝利する可能性が高い。一方、1回の比例代表制ならば、与党・民主党(PD)が連立政権樹立の可能性が高いとも見られている。国民投票で否決され辞任したレンツイ前首相は、早期に選挙を実施し、帰り咲きを目指している。
今回の判決と世論調査からすれば、早期の総選挙が実施され、レンツイ前首相が所属する与党・民主党(PD)が勝利する公算も高まっている。ただ、市場は不安定な政権が再び樹立との見方から、イタリア国債は売りに押されていた。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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