きょうのNY為替市場、市場全体にこれまでのポジション調整の動きが強まる中、為替市場はきょうもドル買い戻しの動きが見られていた。ただ、午後になってダウ平均が一時1600ドル近く暴落したことから円相場は円高の動きが強まっている。
ただし、景気拡大が終了し弱気相場に入ったという見方は皆無。株式市場をはじめ、年初からの急ピッチな動きに過熱感も出ていたことから、先週の米雇用統計をきっかけに調整が出ているといったところと思われる。似たようなケースは毎年見られるが、収まるまで待つしかない。
ドル円はこの日発表になったISM指数が予想外の強さだったこともあり、一時110円台を回復していた。しかし、株安が止まらない中、109円を割り込む場面も見られた。ユーロ円やポンド円も下落しており、ポンド円は152円台まで下落し21日線を割り込んでいる。
ただ、株安が落ち着けば、ドル円はもうしばらく戻りを試すとの見方もある。目先は110.40/50円水準が意識される。米雇用統計発表後の高値でもあり、21日線がその付近に来ている。そして、年初からの下げの50%戻しが110.85円付近にあり、38.2%戻しが110.25円付近にある。いまのところ上値を抑えされているが、38.2%戻しを上抜けるようであれば50%戻しまで到達する可能性は十分ありそうだ。
200日線が111.70円付近に控えており、その水準が目先の最終目標となる。
ユーロドルはNY時間にかけて戻り売りが優勢となっており、1.24ドルを割り込んでいる。1.24ドルちょうど付近には押し目買いも断続的に入っていたが、終盤になってユーロ円の下げが圧迫したようだ。
きょうはドラギECB総裁の議会証言が伝わっていたが、「過度な為替変動による新たな逆風を予想」と述べていた。ECBも景気には自信を示しているものの、ユーロ高には神経質になってきている様子もうかがえる。
ポンドも軟調な動きを続けており、ポンドドルは心理的節目の1.40ドルを割り込んでいる。この日発表になった1月の英サービス業PMIが予想を下回ったことがネガティブ材料となっている模様。先週の製造業や建設業も予想を下回っており、第1四半期は弱いスタートになったのではとの懸念が高まっている。現在、市場は5月の利上げ期待を50%程度で見込んでいるようだが、上半期はないとの見方も出つつあるようだ。
ただ、今週木曜日に英中銀金融政策委員会(MPC)やインフレ報告が発表になる。その内容次第では展開が変わる可能性もありそうだ。もっとも、現在行われている離脱交渉の「移行プロセス」が3月までに決着が着くことが大前提ではある。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
コメントを残す