きょうのNY為替市場は前日のFOMCを受けたドル高の流れが継続している。ドル円も上値へのモメンタムを完全に強めており、きょうは一時118.65近辺まで上昇した。FOMCメンバーが来年の利上げに予想外のタカ派な見通しを示したことから、高値警戒感も出ていた市場もトランプ相場を続けているようだ。
上値にはレジスタンスらしいレジスタンスも無く、クリスマスにかけて120円を視野に入れる可能性も高まっている。米利上げ期待の高まりにもかかわらず、米株式市場が強さを維持しており、最高値圏での推移を続けていることもドル円を後押ししている模様。
きょうは日銀短観が発表になっていたが、企業の想定為替レートは自動車が103.88、電機が104.80といずれも現行からはかなり低い水準で想定しており日本の輸出企業の業績期待も高まりそうだ。逆に見れば、常に上値には輸出企業の売りオーダーがあってもおかしくはないということではあるが。
このまま130円まで素直に向かうかは、かなり未知数ではあるが、とりあえず目先は120円到達の可能性を高めているようだ。
逆にユーロドルは売り圧力が強まった。昨年以降、強いサポートとなっていた1.05をブレイクしており見切売りが加速した模様。きょうは一時1.03台まで下落する場面も見られた。トランプ氏の経済政策への期待も然ることながら、今後の政治リスクを考慮すればユーロ自体も買えないという面もあるのかもしれない。
ただ、インフレについてはそうでもないようだ。11月のユーロ圏の消費者物価は速報段階で前年比で0.6%だったが、12月分に関しては大きく上昇し1%台前半への上昇が見込まれている模様。原油が上昇しており消費者物価を押し上げると見られている。
ECBは資産購入プログラムの額を4月から月間800億ユーロから600億ユーロに縮小することを発表しているが、実施期間は予想以上の9ヵ月間の延長を決めた。ドラギ総裁もこれは量的緩和(QE)の拡大ペースを縮小するものではないと強調し、市場も受け入れた形だが、市場の一部には疑問視する向きもいるようだ。
市場では来年にかけ、ユーロドルはパリティ(1.00)を割り込むとの見方も出ているが、現状は半々といったところではある。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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