【ロンドン市場】ユーロ軟調も米雇用統計を控えて値動き限定的

 2日のロンドン市場は、ユーロが軟調に推移している。このあとのNY市場で発表される米雇用統計を控えて、市場全般には様子見ムードが漂っている。ただ、ユーロにとっては米雇用統計よりも12月4日のイタリア国民投票とオーストリア大統領選が注目されているもよう。政治混乱リスクを警戒して、東京タイムの買いから流れが反転している。

 ユーロドルは東京昼過ぎに1.0690レベルまで買われたが、1.07台には届かず揉み合う。ロンドン序盤には欧州株の下落とともに売りに転じると1.0636レベルまで下落、本日の安値を広げた。ユーロ円にはリスク回避の円高圧力も加わっている。ロンドン早朝につけた121.89レベルを高値に売りが先行、121.00レベルまで下値を広げた。取引中盤にはユーロ売りの勢いは落ち着いたが、ユーロドルは1.0650近辺、ユーロ円は121.30近辺など戻りは限定的。

 この日発表された10月のユーロ圏生産者物価指数は前月比+0.8%と事前予想+0.4%や前回9月の+0.1%から伸びが加速した。ただ、内訳ではエネルギー関連が前月比+2.6%と突出しており、エネルギーと建設を除外した前月比の伸びは+0.1%にすぎなかった。

 ポンド相場は様子見ムード。ポンドドルは一時1.26台を割り込んだが、その後は1.26台前半での取引に留まっている。ポンド円は144円台は維持できず反落。一時143円割れに迫ったが、サポートされている。対ユーロではポンドがジリ高。

 メイ英首相報道官は、来年3月末までに50条を発動へ、EU離脱作業を継続する、2度目の英国民投票はない、などと繰り返したが、ポンド相場に特段の反応はみられていない。

 ドル円はレンジ相場。序盤に114.14レベルまで上昇も、東京タイムにつけた本日高値114.19レベルには届かず。欧州株の下落、ユーロ売りなどを受けて円高方向を試したが、113.60レベルまで。東京午前の安値113.58レベルは下抜けせず。その後は、米雇用統計を控えて様子見ムードが広がっており、レンジ内での取引が続いている。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明

Source: klug

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