きょうのNY為替市場も方向感が定まらず、各通貨ペアでまちまちの展開となった。きょうは米住宅指標や米地区連銀経済報告(ベージュブック)が発表になっていたが、特に材料視されていない。
ドル円は上値が重い展開が続き、一時103円台前半まで下落。103円台半ばの水準を下回ったことで、ロング勢も見切売りを出したようだ。直近発表の米経済指標は弱くはないが、米利上げ期待を更に高めるほどの強さでもない。年内の利上げ期待は依然として高いものの、それ以降についてはまだ未知数といった状況ではある。
一時103.15付近まで下落していたが、下値を確認すると、度々ポイントとなってきた100日線が103.10円付近にきており、目先のサポートとして意識される。また、103.00のオプションの清算も観測されており、それに絡んだオーダーもありそうだ。102円台まで押し込んでくるか、明日以降の展開が注目される。
ユーロドルも下値模索が続き、先週の安値水準に再び顔合わせした。目先は7月25日の安値1.0950付近が意識されそうだが、きょうはサポートされている。
ユーロに関しては明日のECB理事会を見極めたい雰囲気が強い。基本的な政策変更は見込まれておらず、変更があるとすれば、キャピタル・キーと呼ばれるECBへの出資割合に応じてその国の国債の買い入れを行うという現在の規定を緩和する可能性はありそうだ。
ただ、ドラギ総裁の会見はいつも通りに注目であろう。一部ではECBは量的緩和(QE)縮小を模索し始めているとの憶測も出ている。ドラギ総裁をはじめECB幹部は否定しているが、憶測は絶えない。ただし、政策変更があるしても、スタッフ見通しが発表される12月が有力とみられている。
12月に関しては市場も見解がかなり分かれており、2017年3月までとしている現行の資産購入プログラムの期限延長や、それと同時にQE縮小についても言及してくるとの見方も出ている。
その辺に関してドラギ総裁が明日の会見で、何らかのヒントをほのめかすか注目されるところだが、明日の会見では、QE縮小に関しては否定的で、緩和姿勢のみを強調してくる可能性のほうが高そうだ。きょうのユーロの売りはその辺を意識した動きかもしれない。
きょうはカナダ中銀の金融政策委員会の結果が発表され、政策金利は予想通り据え置かれた。声明では成長見通しを下方修正していたものの、インフレ見通しは概ね均衡とし、輸出が堅調で下期は回復を見込むとしていた。これを受け、カナダドルは一旦買いが強まったが、その後、カナダ中銀のポロズ総裁が会見を行い、カナダ中銀のボードメンバーは積極的に追加緩和を協議と述べ、一気にカナダドルは売り戻されていた。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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