きょうのNY為替市場はドル買いが強まった。米税制改革法案の年内成立への不透明感が再び高まっていたが、NY時間に入ると米株も大幅高となり楽観的な見方が強まった。
米上院共和党のマルコ・ルビオ議員がチャイルド・ケアの税額控除拡大を求めており、それができなければ法案に賛成できないと述べていた。ただ、税額控除拡大で妥協が図られそうで、議員からは修正案でまとまりそうだとのコメントも伝わってきている。税額控除の返還額を年間で1000ドルから1400ドルに増額したとの報道も流れていた。ルビオ議員は法案を支持する意向を示している。また、上院共和党の税制改革法案に唯一反対票を投じていたコーカー議員も今回の修正案には賛成する意向を示した。年内成立にかなリ前進している。
ドル円は買い戻しが強まり、一時112.75円近辺まで上昇。きょうは112円ちょうど付近まで下げる場面も見られていたが、21日線がある112.35/40円水準を突破し、ストップを巻き込んで上昇した。
目先は10日線が112.85円付近に来ており、上値レジスタンスとして意識される。ただ、112.50円水準を超えてきたことで戻り待ちの売りも多く出ていたようだ。
ユーロドルは朝方こそ1.18ドル台を回復していたものの、前日のECB理事会後と同様に見切売りに押されている。日本時間0のNYカットで1.1800ドルのオプションの期日到来が29億ドル観測されている。オプション絡みの売りも出ていたのかもしれない。前日サポートされた1.1760/65ドル水準ではかなりの買い圧力もあったが、その水準を下回り、1.1750ドル付近まで下落した。
ドイツ最大野党の社会民主党(SPD)の指導部がメルケル首相との連立へ暫定交渉入りを支持するとの報道が伝わり、ユーロ買いの反応が見られていたが、一時的な動きに留まった。
ポンドも売りが優勢となり、ポンドドルは1.32ドルちょうど付近まで下落。きょうはEU首脳会談の2日目が開催されているが、EU離脱に伴う負担額やアイルランド国境問題で十分な進展があったとして、次の通商交渉など第2フェーズ入りが承認されている。漸く第1フェーズを突破したが、市場は第2フェーズは更に厳しい交渉になるとの見方をしており楽観的なムードはない。
メイ英首相は英国は最もアクセスしやすい市場を欧州大陸の市場に提供すると述べていた。EU単一市場への残留を模索しているようだが、ドイツはこれまでも否定的な見解を示している。英中銀の利上げとあわせて、来年以降もこの話題を巡ってポンドは一喜一憂しそうだ。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
Source: klug
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