きょうのNY為替市場はドルの戻り売りが優勢となった。前日のFOMCは、年内利上げの可能性を温存しておりタカ派な雰囲気となった。CMEが算出しているFEDウォッチでの12月の利上げ確率も70%程度まで上昇している。
ただ、市場ではなお懐疑的な見方が根強い。イエレン議長はきのうの会見で、インフレ鈍化は一時的要因としていたが、更に鈍化傾向が続くと見ている向きも少なくはないようだ。
ドル円は黒田総裁が日銀決定会合後の会見で量的緩和継続姿勢を強調してたことから、一時112.70近辺まで上昇していたが、113円を試すことなく失速している。そのような流れの中、トランプ大統領が「北朝鮮への制裁を強化するつもりだ」と述べたことに敏感に反応し、112.15付近まで一時下落した。
ただ、前日のFOMCを通過して、リバウンド相場への期待感も盛り上がってきているようで、下値では押し目買いも見られ、112.20付近に来ている200日線は維持されている。
先週からの急速なリバウンド相場で過熱感も指摘され始めているが、過熱感を示すテクニカル指標であるRSIは62付近で推移しており、まだ上げ余地はありそうだ。
また、円安の動きでユーロ円やポンド円といったクロス円が高値を更新していることもドル円をサポートしているようだ。市場のリスク許容度が改善されており、金融政策の方向感格差に市場の関心が再び向かい、円安を誘発しているものと思われる。
一方、ユーロドルは買戻しが優勢となり、1.19台を回復。前日は1.20台から1.1865付近まで一気に下落していたが、下値での押し目買い意欲は依然として根強い。本日の21日線が1.1930近辺にきているが、その水準まで戻しており、上向きの流れはなお堅持しているものと見られる。
きのうのFOMCを通過して、FRBもECBもひとまず材料が出揃ったが、次の材料はFRBよりもむしろ、ECBのほうが可能性が高いとの指摘も聞かれる。
ポンドは前日の下げの大部分を回復。明日、メイ英首相がEU離脱に関する重要な演説を行う予定で、それへの期待感もあるようだ。自身の方針について内閣の了承を得た模様で、EUが求める支払いの受け入れを表明し、離脱交渉の進展を促すとも見られている。
メイ首相は2019年3月29日付で英国がEUを離脱した後も、2020年まで予算拠出を続けると表明する方針だとも伝わっている。金額は200億ユーロともみられている。いずれにしろ、明日の演説が注目される。
Source: klug
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