【ロンドン市場】小動き、豪ドル売り材料も値動きは限定的

 19日のロンドン市場は、材料難のなかで小動き。この日は主要な英欧経済統計の発表がなく、手掛かり難。週明けの欧州株式市場が堅調に推移、NY原油先物が反発するなどリスク動向は安定しており、為替市場ではやや円売りが先行した。ただ、ドル円もクロス円も上値を追う材料に欠けたことで円安方向への動きは限定的なものに留まっている。このあとのNY市場ではダドリーNY連銀総裁の講演が予定されており、その内容を見極めたいとのムードもあるようだ。

 豪ドルは一時売りが強まった。米格付け会社ムーディーズは豪州の大手4銀行の格付けをAa2からAa3に引き下げると発表。住宅市場のリスク増大を考慮したという。この報道を受けて豪ドル円は84.60台から84.28近辺まで、豪ドル/ドルは0.7610近辺から0.7585近辺まで一気に売られた。しかし、その後は欧州株や米株先物の堅調な動きもあって、豪ドルは買い戻されている。

 ドル円は111円近辺でのレンジ取引。欧州株高とともに111.21近辺に本日の高値を伸ばしたが、その後は111円割れまで反落。ただ、下押しは浅く、111円挟みの取引が続いている。手掛かりとなる米10年債利回りが先週末水準を挟んだもみ合いとなっており、方向性に欠けている。

 ポンドやユーロは小高い。まずポンド買いが先行する。ポンドドルは1.2770近辺から1.2815近辺まで、ポンド円は141.80近辺から142.34近辺まで買われた。ロンドンでの自動車突入事件はイスラム教徒へのテロとの見方が濃くなっているようだが、リスク回避的な動きはみられていない。

 ポンドに続いてユーロにも買いが入っている。ユーロドルは取引中盤にかけて1.1214レベルに高値を伸ばした。ユーロ円は124.10-50レベルでの振幅。スメッツ・ベルギー中銀総裁は、QEの将来について年内に決める必要がある、と述べた。また、インフレ期待が低過ぎる状態が長期化することはリスク、しっかりと安定する必要、賃金上昇を注視する、としている。ただ、発言報道時には特段の反応はみられなかった。

みんかぶ「KlugFX」 松木秀明
Source: klug

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