きょうのNY為替市場は明日の重要イベントを前に様子見気分も強い中、コミー前FBI長官の言及を受け、後半になってドル円の買戻しが優勢となった。
明日のコミー前長官の議会証言を前に事前テキストが伝わっており、「トランプ大統領は忠誠を要求し、フリン氏の捜査終了を希望した」と言及している。あくまで違法な圧力ではなく、要望という点がポジティブな印象だったようだ。きょうは米国債利回りも下げを一服させる中、ドル円も買い戻しが優勢となった格好。
ドル円は109.60近辺からの上値抵抗が強く、前日から何度も跳ね返されていたが、それを突破したことで、買い戻しへの期待感が高まったようだ。一時109.90近辺まで上昇したが、さすがに110円の大台には慎重。ただ、明日への期待を繋ぐ展開にはなった。
米国債利回りの下げと伴に下落が続いてきたドル円だが、明日のECB理事会や英総選挙、そしてコミー前FBI長官の議会証言といった重要イベントを通過して、流れを変えることができるか注目される。
一方、ユーロドルも上下動したものの、底堅さは堅持している。ロンドン時間には、明日公表のECBスタッフ見通しで、2019年までのインフレ見通しが下方修正されるとの報道から売りが強まっていたが、1.12台を堅持したこともあり、NY時間に入るとその下げを取り戻している。ただ、1.12台後半の水準は重くなっている印象。
明日のECB理事会後の反応次第といったところだが、ECBはこのところの経済指標の好転で市場は、ガイダンスを出口戦略に向けて変更してくる可能性を見込んでいる。ただ、市場は既に変更自体は織り込んでおり、その内容を見極めたい段階にあるようだ。
ポンドドルは一時急速に伸び悩む場面が見られたものの、1.29台半ばまで上昇している。ただ、明日の英総選挙を控える中、市場には様子見ムードも強い。世論調査ではメイ首相率いる保守党が勝利し、第1党になりそうだが、単独過半数を獲得できるかは微妙な情勢。もし、そうなった場合でも、EU離脱交渉に向けてメイ首相が信頼感を維持できるかがポイントとなりそうだ。ただ、市場には楽観的な雰囲気も見られている。
きょうはカナダドルが下落。この日発表になった米週間石油在庫統計で原油在庫が予想外の大幅増加となったことから、商品市場で原油が急落しており、カナダドルも売りが強まっている。カナダ円は一時80円台に下落した。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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