きょうのNY為替市場はドル買い戻しが優勢となった。きょうから6月相場入りだが、この日発表になったADP雇用統計が強い内容だったことがドル買いを強めている。前日は110円台半ばまで値を落としていたドル円も111円台を回復し、一時111.50付近まで上昇する場面も見られた。きょうの動きで200日線付近までは下落せずに反転したことから、底堅さは維持されているようだ。
明日の米雇用統計待ちではあるが、6月利上げ期待は依然として強く、CMEのFEDウォッチでの確率は96%まで高まっている状況。ただ、相変わらず、米国債利回りが反転の兆しを見せない中、ドル円の上値は重い印象も一方ではある。
米国債については、追加利上げやバランスシート縮小が想定される中、利回りは適正水準から下方にかい離し過ぎているとの指摘も少なくない。ただ、実需が旺盛(利回りは低下)なのか、一向に反転する気配がなく、ドル円の上値を抑えている。
ただ、米株の上値追いが続く中、きょうは円安の動きもドル円をサポートした。111.40からの上値抵抗は強いようだが、明日以降、突破してくるか注目される。
一方、ユーロドルは利益確定売りの動き。ただ、来週のECB理事会での出口戦略に向けてのガイダンス変更への期待が高まる中、1.12ドル台は維持されており、調整色を強める雰囲気は無い。
来週のECB理事会では出口戦略に向けて一歩踏み出すと期待されており、具体的にはフォワードガイダンスの文言変更が予想されている。変更の中味に関しては見方が様々出ているようで、景気については「下振れリスク」から「均衡」に変えてくるとの見方や、「資産購入を拡大する用意がある」との文言を完全に削除するとの見方もあるようだ。
いずれにしろ今回の変更では、タカ派に転じたとの印象を強めるよりも、これまでのハト派色を緩める範囲での文言変更が見込まれている模様。なかには、7月の理事会で更に一歩進め、9月の理事会で量的緩和(QE)の拡大ペース縮小に言及との見方も出ている。いずれにしろ、年内までに、QE拡大ペースの縮小の具体的な計画が示され、2018年の序盤から実施との見方がメインシナリオではある。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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