きょうのNY為替市場はドル売りが優勢となった。この日のメインイベントは米雇用統計だったが、暖冬の影響もあったのか、非農業部門雇用者数(NFP)は23.5万人増と予想を上回る強さを示した。また、注目の平均時給は前月比0.2%の上昇と予想は下回ったものの平均賃金の上げは続いている。
強い内容で来週のFOMCでの利上げ期待は正当化する内容とは思われるものの、市場は既に十分織り込んでおり、焦点は利上げのペースに移っている。FOMCメンバーによる利上げ回数の予想が増加するとまでは確信は持てなかったようだ。
ドル円は米雇用統計発表後、売りが優勢となった。事前に期待感が高まっており、115円台半ばまで上昇していたが、材料出つくし感もあったのであろう。発表後も115円台は維持していたが、ロス米商務長官が「貿易問題について日本の優先度は高い」と述べていたことが伝わると、まとまった売りが入り、一気に114円台に下落している。その後、115円台に下げ渋る場面も見られたが、一旦、上値へのモメンタムを失ったのか、114円台に再び戻し114.65付近まで下げ幅を拡大する展開となった。
一方、ユーロは買いが強まり、ユーロドルは1.07台をうかがう展も見せている。米雇用統計発表後のドル売りの動きもあるが、ブルームバーグが複数の関係筋の話として、ECBが量的緩和(QE)終了前に利上げが可能かどうか協議したと伝わったことがユーロを押し上げた。前日のECB理事会後の会見でドラギ総裁は否定的な見解を示していたが、市場では期待感も根強いようだ。
みんかぶ「KlugFX」 野沢卓美
Source: klug
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